Colorful stories 11（W.短編集）

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神ちゃんと再び引き合わせてくれた、新しいスイーツ屋さん。
買うクレープは決めてた。
バナナチョコクレープと、バナナチョコアイスクレープ。

ぶら下げて、慣れた道を歩く。

一緒にコンビニ行ったとき、いつまでも買うもん決められへん優柔不断な呻き声。

夜やからって、こっそり手を繋いだ体温。

夜のアレ買うた時、店の外でそっぽむいて待ってた背中。

隣を歩く笑顔。


どれも昨日のことのように思い出せる。
大事な思い出たち。







ピンポーン

中から、パタパタと足音が聞こえて止まる。
今、俺のこと見とるんやろ？んで、迷ってる。


「神ちゃん、アイスが溶けるから、とりあえず入れてくれへん？」

ビニール袋を掲げて見せると、ガチャリと鍵が回る音がした。
アイスを買って正解。作戦成功やん。


「ごめん、急に」
「急やないよ。どうせ、流星が無理やり来させたんやろ？ごめんな、」
「ちゃう。俺が話したくて。自分の意志で来た。」


神ちゃんはしばらく固まった後、気まずそうに目を逸らした。


「ごめん、ちょっと待っててくれへん？散らかってるから。」


そう言って、バタバタと中に入っていくのを、黙って追いかける。

神ちゃんが手にしてたものは、俺専用のブランケット、スリッパ、片手にはダンベル1個。
慌てて片づけようとしたんやろ？



「待っててって言うたのに、」


諦めてらしい。
ぽつりと呟くと、俺のものたちを定位置に戻した。あの頃と全く変わらない、神ちゃんのうち。

ふと気になって窓からベランダを覗くと、俺のサンダルも仲良く並んでた。

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