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最後の神ちゃんの顔を思い出して、胸が締め付けられる。
しばらくぼんやりとベランダを眺めてたらしい。
視界で、カーテンがゆらりと動いてたから、慌てて、曲がり角に身を隠す。
カーテンの隙間から覗いたのは、間違いなく神ちゃんやない、誰か。
神ちゃんの部屋に誰かがいる。
その事実だけが頭の中をグルグル回る。
気がついたら、翌日も仕事帰りにその場所に足が向かっていた。
昨日と変わらない景色。
カーテンから目が離せない。
もし、また神ちゃんやない誰かがいたら、どうしよう。
いや、どうしようもないんやけど。
目を背けてた現実。
自分で招いた事態。
それでも、溢れ出す嫉妬という感情は、待ってくれない。ただ、ソイツが恋人ではない可能性を少しでも感じたくて、その場に立ち尽くした。
その時、後ろから肩を叩かれた。
体がビクリと跳ねるほど驚いて振り返ると、長身の男。
ソイツは、俺が神ちゃん家を出た日に、神ちゃんと飲んでたヤツやった。
騒がしい居酒屋で、対峙してる。
と言っても、敵意を剥き出しにしてるのは俺だけで、彼の方は淡々としていた。
「あんた、元彼やろ?」
ビールに口をつけながら、そんなこと言った。
“元”という言葉に現実を突きつけられて、返事もできずに俯く。
「しげやんなぁ、」
それでもお構いなしに、彼はやっぱり淡々と話し出す。
「まだ神ちゃんのこと、好きなんやろ?なんで出てったん?」
「てか、お前は誰なん?」
「友達。敵やないから、そんなん、威嚇せんとってや」
丸腰です、と言わんばかりに、両手を挙げる。
神ちゃんが好きそうな顔。
面食いやからな。
テレビ見ながら、何回喧嘩したか。
その度に、神ちゃんからの愛の言葉で結局絆されてた、単純な俺。
目の前の彼は、完璧な見た目からは想像できない、ふにゃりとした笑顔を見せた。
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7129(プロフ) - めぐおさん» コメントありがとうございます!!これ描こうとして、朝から10000字インタビュー読んで泣いた私です…これからも大好きな彼らを応援しながら、いっぱい妄想したいと思います💚もっといろんなお話が描けるようにがんばります💪 (2023年4月23日 12時) (レス) id: f02b13cfb6 (このIDを非表示/違反報告)
めぐお(プロフ) - 記念すべき日に素敵なお話ありがとうございます。7129さんも彼らも大好きです!これからもいろいろなお話を読めるの楽しみにしています♡ (2023年4月23日 12時) (レス) @page40 id: 17cbbe6ec7 (このIDを非表示/違反報告)
7129(プロフ) - mimiさん» うっかりミスしました〜💦💦教えてくださってありがとうございます😂恥ずかしっ😭 (2023年4月14日 13時) (レス) id: f02b13cfb6 (このIDを非表示/違反報告)
mimi(プロフ) - 最新の更新の10ページ目、内容がにゃんにゃんエレジーだと思うんですが… (2023年4月14日 12時) (レス) @page37 id: 0e3efe4d26 (このIDを非表示/違反報告)
7129(プロフ) - ゆずさん» ゆずさん、初めまして!!コメントありがとうございます😚読んでくださって嬉しいです💚これからも色々はお話描くの、がんばります🔥 (2023年3月16日 21時) (レス) id: f02b13cfb6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:7129 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/personal.php?t=7129
作成日時:2023年3月13日 19時