Colorful stories 8（W.短編集）

魔法よ、解けないで（催眠術＃3） ページ24

赤side



は？
何なん？この感じ。
何なん？この気持ち。


目の前には、蕩けるような顔で「幸せ」と連呼する淳太。
黄緑色のトレーナーに、淳太の腕が巻き付いている。

俺からは耳が赤いのは見えるけど、きっと顔も真っ赤。んで、絶対照れてニコニコしてる。それがわかるくらいには長い付き合い。


二人で夢の国行くくらいやもんな。
淳太は神ちゃんのこと、ほんまに甘やかすし可愛がるし。
神ちゃんは神ちゃんで、淳太には甘えるし。俺には甘えへんくせに。


無性に腹が立つ。
全っっっ然、笑えへん。
動画撮ってるのに、こんな顔したらあかんのは、わかってる。
けど、自分の気持ち、全然コントロールできひんくて。



「どうしたん？しげちゃん」


ため息混じりに戻ってきた楽屋。


「そら不機嫌にもなるよなぁ、あんなん見たら」
「あぁ！あれね！」

おい、勝手に決めんな。勝手に進めんな。
とは思うけど、反論する元気なんて、全くない。


「照史はヘーキやったん？」
「今日はちょっと激しくするかもしれへん。てへっ♡」
「聞かへんかったらよかったぁ〜」

なんてアホな会話してるけど。

やっぱそうなん？
この気持ち、ヤキモチ…なん？





「はぁ〜、おもろかった！」

楽屋のドアが開いて、残りの4人が戻ってきた。
一番最後にドアをくぐった神ちゃん。
その姿を見た途端、心臓が跳ねたのがわかった。

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