水色

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神社の裏手の階段、穴場らしい。
誰もいないそこに並んで座って、手ぇ繋いで、花火を見上げる。

こっそりしげを盗み見たら、何回も目が合って。

「花火見ぃや！」
「神ちゃんに花火の光が映って、めっちゃ綺麗なんやもん」
「は？」
「神ちゃんの目の中にも花火がある！」
「ほんまや！しげの目ん中も！」

見つめ合って、笑い合って。
しげがふと伏し目がちに笑う。

「神ちゃん、実はさぁ、」
「ん？」
「今日、俺誕生日やねん」
「えー⁉︎言うてや！」
「そんなん、自分から言われへんやん」
「今言うたやん。笑」

やから、とか、それは、とか、
ブツブツ言うてたかと思ったら、じーっと見つめてきて、ニィって笑って。

「一個、お願い聞いてくれる？」
「常識の範囲内ならな」
「え、じゃああかんかも」
「あかんこと考えとったん？笑 とりあえず試しに言うてみ？」

言うか言わんか迷ってる？
モジモジしたり、キラキラしたり、忙しいやっちゃ。


「怒らんでな？あの…ほっぺに、ちゅーとか、してほしーなー、なんて。…あかん？」
「んはっ！かわええな、しげ。笑」
「笑うなや！夢やってんもん！」
「わかった。じゃあ、夢叶えたる」

マジで？って。
自分で言うておきながら、顔真っ赤にして、ほっぺ隠してる。隠したらできひんやん。笑

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