Colorful stories 7（W．短編集）

約束　※微裏 ページ8

おねむモードに堕ちたのは私だけじゃないはず…

赤side



「神ちゃん、約束したよな？」
「へ？」


首やら耳まで真っ赤に染めた肌、
とろんとした瞳、
ふらつく体。
想像よりだいぶ色気を振りまくその姿に負けじと、必死に睨みつける。






『神ちゃん、結構飲んだからよろしくな〜』

流星からのメールで、真っ赤に酔っ払った神ちゃんの姿が目に浮かぶ。




『今、車乗ったよ☺️』

神ちゃんからのメールが来てからもう30分、玄関から出て、身を乗り出してエントランスを見下ろしたのは何回目か。
やから、マンション下に付けられたいつもの黒いワゴン、すぐに気づいた。けど、迎えになんて行ってやんない。




「しげ、ただいまぁ」

玄関で待ってた俺を見て、ほわほわしてる。何もわかってない顔。
返事をしないのを不思議に思ったのか、覗き込んできた。


「どしたん？なんかあった？」
「あった。」


その両肩掴んで、玄関のドアに押しつけると、みるみる怯えたような表情に変わる。
その顔、めっちゃ唆る…



今日は優しくしてやんない。
俺以外にあんな姿見せたこと、後悔すればええ。


戸惑う神ちゃんを置いて、一人でさっさと寝室に入る。



ふらつきながらも、か細い声で俺の名前を呼びながら後を追ってくる。
それにちょっとホッとする自分、情けない。




「なぁ、どうしたん？俺、何かした？言うてくれなわからんやん…」

俺の前に縋るように腕をついて覗き込む。
俺がその目に弱いの知ってるんやろ？
けど、今日は乗ってやんない。

不安で堪らないと言った顔で、俺のことをじっと見つめた後、神ちゃんはついに俯いてしまった。





「俺がおらんとこでは飲まへん約束、やったよな？」
「え…、でも仕事やったし、」
「約束は約束やん。罰。脱いで」

いつもやったらすぐ甘やかして許してしまうけど。
戸惑いつつも、そんな俺の頑なな態度に、抵抗をするのをやめて、シャツを裾を握った。

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