Colorful stories 7（W．短編集）

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「お！お2人さん、どーよ！」

座ると同時に、俺らのミスターMCが、ニヤニヤ笑う。しげは、慌てたような、困ったような顔をした。
大丈夫やで？
そう伝わるように、しげの胡座かいた膝にポンと手を置く。

「恋バナ大好きやんな？おじじ」
「大好きよ、人の幸せ。酒が進むわぁ！こんなしげ、初めて見たもん」

そんな淳太のことも大好きやねん、俺。やから余計しんどかってんけど。
淳太を見て、心から笑えてる自分に気づく。んで、自分の気持ちも再確認できた。


「うっさいジョン太は黙っとれ！」
「俺も初めて見たわ。大人なしげ。ドキッとしてもうた。笑」


バタバタ落ち着かなかったしげは固まって、目を見開いてこっちを見た。


「俺な、失恋したばっかやってん。けど、しげが救ってくれた。こんなすぐ軽くなる程度の気持ちちゃうかってんけどなぁ。なんか最近、しげのことばっか考えてもうてる」
「神ちゃん…それもう、好きなんちゃう？」
「たぶん…そう、なんやと思う」


やから、
そう言うて隣を見ると、今にも泣きそうなしげ。

「もうちょい待っててな？」

そう言うと、
淳太はガッツポーズして、
照史は指笛鳴らして、
のんちゃんは泣きそうで、
ハマちゃんは仏のような笑顔でただニコニコしてて、
流星は、優しい微笑みで“それでええよ”背中を押してくれてるみたい。


しげはというと、唇噛んで、拳握りしめて。


「しげ、ありがとうな、いろいろ。俺、もう大丈夫。もっと好きな人、できたみたい」
「がみぢゃーーーん！！！」

鼻の頭真っ赤にしてしがみついてくるしげを包み込む。
思ってたよりガタイが良くて包み込めないのがなんかショックやけど。



たぶん大丈夫。

これからはしげが包んでくれるから。

背中に回った体温を忘れないように、目を瞑って噛み締めた。


　


「包み込んで、全部」fin.

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