Colorful stories 7（W．短編集）

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翌週も同じ時間に、同じ店、同じ座席に座って、カフェラテを啜る。
スマホを眺めるも、内容は全く頭に入ってこないけど。



「こんばんは」


隣に気配を感じて顔を上げるタイミングをはかってると、穏やかな声が、上から降ってきた。
目が合うと、先週の彼はニコニコと笑った。







「先週、何かありました？」
「へ？なんで？」
「めっちゃため息ついてたから」


無自覚やった。心当たりしかないけど。


「実は…」

この店に寄った経緯、突然聞かされても、リアクション困るやろうなー、とは思いつつ、受け入れてくれそうな心地いい相槌に、全部吐き出してしまう。


「そっか…大丈夫？やないですね。まだしんどいですね…」

話してみて、思ったより回復してる自分に、自分で驚いてる。
彼はというと席を立ったかと思うと、新たなトレーを持って現れた。


「もちもちドーナツやって？はい」

白いピックに刺さった一口サイズのまん丸いドーナツに、反射的に口を開く。

「糖分補給。甘いもん食べると、元気出るんですよね〜」

確かに、癒し効果絶大。
ドーナツの効果なのか、アーンの効果なのか、はたまた、彼のおかげなのか。


「あ！甘いもの、大丈夫でした⁉︎」
「今⁉︎」

思わず吹き出した俺にホッとした顔を向けて、自分もドーナツを頬張った。


すでに、また来週からがんばれそうな予感がしてる。


「あ、よかったら連絡先交換しませんか？てか、名前！」

名刺を取り出そうとしてやめた。彼とは、仕事として繋がりたくないから。


「重岡です、しげって呼んで！」
「俺は神山、神ちゃんって呼ばれてます」

話してみれば、年も一つだけ下、会社も近く。
仲良くなる未来しか見えない、俺ら。

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