Colorful stories 5 （W.短編集）

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「神ちゃん！めっちゃええ天気！」

朝一、カーテンを開けると、神ちゃんはまだ目開けてないのに、目を顰めた。

「ちょっと曇りくらいがええのに。日焼けするやん、」

乗り気やなさそうやけど、玄関にバッチリ濡れてええ鞄とサンダルを用意してあったの、知ってる。

そういうところがまた、かわええんよな。



青い空。
青い海。
赤い水着の白い神ちゃん。

ほんま、ええ景色。

この日のために買った、でっかい浮き輪を膨らます。

「神ちゃん、これで海入ろ？」
「デカない⁉︎」
「ちっこいんは、子どもっぽいって去年拒否ったやん！」

よう覚えとんなぁ〜なんてのほほんと言うとるけど、神ちゃんが言うたことなら何でも覚えてる。


もうここまで来たら、素直な神ちゃん。
楽しむことにも全力な彼は、日焼け止めもバッチリ塗って、準備も万端。
結局、楽しみにしてくれてたんよな？



神ちゃんに浮き輪を被せて、足のつかないところまでプカプカ引っ張ってく。

人の声も海に吸い込まれて、喧騒が遠い。
ほんまに2人だけの世界。

でっかい浮き輪って、しっかり捕まってないと、すっぽ抜けて落ちそうになんねんな。

必死に浮き輪にしがみつく神ちゃんがかわいくて、浮き輪に乗ったモチモチの白い二の腕が魅惑的で、シゲちゃんの悪戯心が顔を出す。

ザブンと水に潜る。

「しげっ⁉︎」

視界から俺が消えたから、神ちゃんが慌ててる。
足をバタバタさせながら、浮き輪回して俺の姿を探してる。


俺の目の前には、白いお腹。
ホクロが俺を誘う。

腰を掴んで、ホクロに口付けると、体を捩る。
けど、安定しない浮き輪に、身動きが思うように取れない神ちゃん。

こんな景色を前に、俺も落ち着いてられるわけがない。
これ以上誘惑に負けたら、俺の方がヤバいわ。
水から上がられへんくなる。笑
水の中とは思えないくらい、体がほてる。

浮き輪の穴目がけて、水面に顔を出すと、目の前に神ちゃんの赤い顔。


「続きは帰ってから、な？」

小さく頷く神ちゃんがかわいくて、思わずその小さな唇に口付けた。



「青い空 青い海」fin...?

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