Colorful stories 5 （W.短編集）

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「神ちゃんの服にしては派手やないな」
「全部派手なわけちゃうし」
「ロゴは結構激しいけどな」

Tシャツ自体は黒やけど、ロゴがバラに絡みつかれて雷に打たれた〜的な、なかなかなロックテイスト。

「文句あるなら、とっておきのやつ持ってくるで。シゲなら、オール花柄がええかも」
「遠慮しますっ！」

もう一度部屋に向かおうとするその白い腕を引っ張ると、神ちゃんは勢い余って俺の胸に激突した。

神ちゃんのミルクのような甘くて落ち着く匂いを感じると、何も考えられへんくなって。
首元に顔を埋めると、電源を落としたように全ての思考が停止した。



「ちょ、シゲ！手加減ってもん知らんの⁉︎」

その声に、我に返る。
胸元でほっぺを赤く染めて睨みつけるその顔に、一瞬ドキリとして、慌てて頭を振った。





普段の神ちゃんよりはシンプル目な例のTシャツと短パンに身を包むと、神ちゃんの甘い匂いに、嗅ぎ慣れた柔軟剤の匂いが合わさって、神ちゃんに包まれた感覚に陥る。

こんなこと、前もあったなぁ。
ふと昔泊めてもらった時に借りたスウェットを思い出す。


「ティッシュ入れっぱなしはやめてな」
「週3はやるからごめんやで」

おんなじ事考えてたらしくて、念を押される。
もっとも神ちゃんはそれ忘れてて、ライブのM Cで聞いて「ごめぇ〜ん」言うとったけど。笑


あの頃からずっとそばにおってんな。
あん時は流星も一緒に泊まったけど、今日は初めての1人でお泊まり。

なんやろう、この胸のざわざわは。

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