6 ページ45
「重岡さん、家遠かったのに、わざわざうち寄ってくれてたんや」
神山くんの花屋さんの近くの駐車場に着くと、車を見て驚いた顔。
「いや？全然遠ないで？車は、まぁ…神山くんつれてきたいとこあったから」
「そうなん⁉︎ありがとお」
助手席に座るように促して、支払いの時に隣の自販機で買うたお茶を渡す。
「ありがとうございます、」
そう言うてペットボトルを傾けた。
その横顔をこっそり見てたんは内緒。
しばらく車を走らせて向かったのは、湖。
「うわぁ！きれい…」
一面に広がる紫陽花。
見惚れる神山くんの横顔が綺麗で。
その顔を見て、連れてきてよかったなって心から思う。
出会った時、一目惚れした時と同じ、キラキラ輝く瞳に、心臓の音が激しくなるのがわかった。
「これ、見せたかってん」
「めっちゃきれい…！ありがとう、重岡さん」
淡い水色の紫陽花。
昨日の雨が残る葉に日の光が反射してキラキラと輝いて、めちゃめちゃ綺麗。
でも、それよりも、神山くんに一瞬見惚れて、慌てて返事をする。
「重岡さんに出会えたのも、紫陽花のおかげやもんね」
そんなこと言いながら、紫陽花の傍でしゃがんで、愛おしそうに眺めてる。
「あ、見て！重岡さん！カタツムリ！」
紫陽花に囲まれた神山くんが、俺のこと見上げて、裾を引っぱる。
そんな姿に、何も感じないはずないやん…
戸惑いながらもひっぱられて、隣にしゃがむ。
袖を握ったまま、悪戯な笑顔でカタツムリを指差す神山くん。
目が合って笑い合うと、好きな気持ちが、波のように押し寄せてきた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 516人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
7129(プロフ) - 蒼乃碧さん» いつもありがとうございます！この夢、起きた時ガチで泣いてました🥲ハッピーエンド専門の私としては続きをみたいのですが…出てきてくれない😭これは、私が幸せにすべきなのか…🔥考えてみようかなぁ〜辛すぎますよね💦 (2022年10月26日 7時) (
レス) id: f02b13cfb6 (このIDを非表示/違反報告)
蒼乃碧(プロフ) - 異国…悲しすぎます(´･ω･`)続き、ありますか？無ければ、色々考えてしまいます…ハピエンになる続きを(´･ω･`) (2022年10月26日 6時) (レス) @page50 id: b2e7866667 (このIDを非表示/違反報告)
7129(プロフ) - 蒼乃碧さん» コメントありがとうございます！！！「くちばしとうそ」のファンでして、ありがたく継ぎ接ぎ書かせていただいてます！うっとりなんて、嬉しすぎます♡赤緑ばかりですが、もっと素敵な赤緑描きたいと思ってます！これからも読んでいただけると嬉しいです！！！ (2022年6月25日 23時) (レス) id: f02b13cfb6 (このIDを非表示/違反報告)
蒼乃碧(プロフ) - 継ぎ接ぎ、がご縁でこちらにお邪魔させて頂いてます。沢山の素敵なお話に、毎日うっとりしてます^_^ (2022年6月25日 23時) (レス) @page47 id: b2e7866667 (このIDを非表示/違反報告)
7129(プロフ) - にんさん» にんさん祭りですね〜笑 発想も文章も全然違うので、本当にいつも新鮮で楽しいです♪胸が泣くなんて光栄✨「儚」というタイトルは付けてませんが、ハッピーエンド専門なので、あの憂いは出なくて💦全15話、よろしくお願いします！ (2022年6月10日 22時) (レス) id: f02b13cfb6 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：7129
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/personal.php?t=7129
作成日時：2022年5月28日 12時
