キミイロ セレナーデ（JW赤×緑）

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外回りのたびに、遠回りして流星の店の近くを通るようになった。
ともくんが元気にしてるか、この目で確かめるため。
一目でもともくんの姿が見られれば、そう思って。


資格を取るために、勉強もしてるらしい。
一生懸命なところ、変わってへんのな。
集中すると、周りが見えなくなるところも、
ニコニコ人当たりがええところも、
慣れてくると時々チョケるところも、
頑張りすぎて時々空回りするところも、変わってへん。

ともくんも神ちゃんも一緒なんやって思い知る。


彼は何も変わってないのに、
俺は、俺を覚えてる神ちゃんを求めてたんや。

思い出すか思い出さないか。
それが、俺の中でとても大きな問題やった。

でも、そんなこと、どうでもええ。

今のともくんといられれば、幸せなんや。






家に帰って、神ちゃんとの思い出のものを詰めた段ボールを、クローゼットの奥から取り出した。
ずっとしまってあった、一度も開けることができなかった段ボールを開ける。

写真立てと誕生日に作ってくれたアルバム、お揃いのマグカップ、うちに残されてた赤いトレーナーとグレーのスウェット。


赤い表紙を開く。
一枚目は、初めてのデートの日に撮った、初めてのツーショット。

神ちゃんはピースして、めちゃめちゃかわいく顔キメてんのに、俺は口開いてるし。



やっぱ、何も変わってへんやん。
神ちゃんも、
俺らも。


かわいい笑顔を見て、ともくんが浮かぶ。

前の神ちゃんも今のともくんも、愛してる。
思い出されんくても、また初めから愛し合えばええ。
また忘れてしまったら、一から始めればええ。

こんなに簡単なことやったんや。

俺はずっと神ちゃんを、ともくんを愛する自信あるし、好きになってもらえる自信もある。

それって、めちゃめちゃ幸せなことやない？

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