元くノ一の氷柱は派手柱の嫁(仮)で派手柱が大嫌い (ページ44)

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氷が溶けたらページ44

私はえたの近くまで走り座り込んだ

え「A…私ねAが大好きなんだよ…初めて誰かを好きになった。初めて恋をした」

え「だからどうしたらいいかわからなかった…ごめんね。今まで苦しめて…」

『謝らないでよ…』

『私はえたに会えて嬉しかった。友達になれて良かって思えた…』

え「本当…Aらしい。私も嬉しかったよ」

え「A…Aはいつも1人で抱え込む…心配なんだよ」

え「ねぇ、A。素直になっていいんだよ。誰もAを嫌ったりしないから」

え「Aは幸せになる権利がある。だってAは強くて優しいもん」

え「私を守ってくれてありがとう」

『ちゃんと…守れた？えたのこと…ちゃんと守れた？』

え「もちろん。いつも助けられてたよ」

え「A…幸せになってね。大好きだよ」

そう言ってえたは消えた。残ったのは私があげたネックレスだけだった

私はネックレスを握り締めながら声をあげて泣いた。宇髄さんは隣にしゃがんで抱きしめてくれた

宇「頑張ったな。よく頑張った」

ぐっと私の顔を見て指で私の涙を拭き取ってくれた

宇「お前はやっぱり笑顔が似合うな」

そう言って優しく頭を撫でてくれた

その大きくて暖かい手は私の凍った心を溶かしていった

宇「そろそろ帰るか」

『……うん』

そう立ち上がり自然と隣を歩き手を繋いでいた

宇「まさかあの逢い引きの場所が被ってたとはな…先越されたぜ…地味だな」

宇「だからよ、今度派手に逢い引きしね？リベンジってやつだ！」

『……考えとく』

そんな会話に私達は目を見合わせて笑った

宇「そうだな。なら期待して待っとくわ」

『うん…期待しといて』

そして屋敷の前につく

ガラッと開けるとすぐさま雛鶴さん達が駆け寄って来てくれる

雛｢天元様！A！帰ってきたんですね！お疲れ様です｣

須｢あー！待ってましたよ！｣

ま｢天元様とずいぶ仲良くなったじゃないか｣

やっぱり仲がいい3人と宇随さんに私は自然と笑顔になる

すると宇随は私の前に立ってくるりと私の方を見た

宇｢A…おかえり｣

『…ただいま！』

え｢ねぇ、氷が溶けたら何になると思う？｣

『え？水じゃないの？』

え｢そうだけど違う！なぞなぞだよ｣

｢んもー！正解は春！氷が溶けたら春が来るの！｣

あぁ…本当だ…氷が溶けたら恋(春)が来た