過去 ページ15
さっき、頭を撫でられたのが脳に焼き付いて離れない
『ちっ…ふざけんな…』
『私は…私は嫌いだ…大嫌いだ…』
私は元々くノ一だった…とは言っても他のくノ一とは少し違う
〜〜〜〜
私の所は人は殺さない。騙して何かを奪ったり、情報を集めたりするくノ一だった
やはり情報には敏感で優秀だった宇随天元の事はすぐに入ってきた
く1「知ってる?宇随天元って?」
『あぁ…あの、すごく優秀だって言われてる?』
く2「あぁ…だいぶ前にも大きな仕事こなしたって…言ってたよ」
く1「そうそう!突然消えたらしいよ」
く2「うそ〜!あんな優秀だって騒がれてたのに?!」
『まじ?耐えられなくなったんじゃない?ほら、優秀な人ほど足抜けとかするじゃん?』
く1「A面白いこと言うねーw」
所詮その程度だと思ってた。優秀な人と言われてもただの腰抜け…
今頃、震えながらどこかにひっそり暮らしてるだろう…バックれた者は幸せになることが出来ない…
大体みんなそうだ…今までバックれた者は不幸になってる…
明るかった人が喋らなくなる…ストレスで自ら命を捨てた者…一家心中…そんなのざらにある…きっとそいつもそうだ…そう思ってた…
くノ一の時色々なモノを失った。私の手には何もなかった…
そんな時御館様に声をかけて貰ったんだ…だから鬼殺隊に入ることにした…
柱になった時…名前を聞いた時はほんとに驚いた…元忍…優秀だって騒がれてた宇随天元がここに居るんだから…
キラキラした宝石をつけて…忍の雰囲気とは真逆の存在…。それに加えて嫁が3人も居る…
許せなかった…私はくノ一で沢山のモノを失った…なのにあいつは…沢山のモノを手に居れてる…
鬼殺隊に入ってる以上…自分の過去が特別な物だとは思わない…。私以上にも苦しんで辛い想いをしてる人は沢山いる…
でも、どうしても許せなかった…。私は沢山失って…あいつは欲しいものを手に居れて…そして嫁が3人も居るのにも関わらずまだ欲しがる…
貧欲め…ふざけんな…
あの、大きな手に気づいたら絆されそうで…大嫌いだ…私よりも大きくて…力もあって…なんでも守れそうな大きな手…
大嫌いだ…何もかも気に入らない…!嫌い…大嫌いだ…
雛「〜〜!A…。A!!」
『へ?!あ、え?どうしたの?』
雛鶴さんの声に私は目を向ける
雛「大丈夫?」
『あ、うん、大丈夫だよ』
雛「なら、いいんだけど…天元様も心配してるのよ」
…その言葉に私はゆっくりと口を開く
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作者名:みゆき | 作成日時:2021年2月20日 23時