また、二人で紡いで歩めたら (ページ7)

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続き、その4 ページ7

「拝啓だんだんと夏の気配が近づいて参りましたが、いかがお過ごしでしょうか。
こちらは夏限定の新作ケーキの販売が始まり、忙しくも充実した日々を過ごしております。
嘘です。
充実した、というのは語弊があります。
確かに毎日忙しくて、でも楽しくて、なのに、どうしても何か足りないような気がしていて。
もしも、隣にあなたが居てくれたら、もっともっとこの日々が鮮やかに彩られるのでしょう。
でも、それはきっと、あなたを困らせてしまう。
だから、私達、元の関係に戻りませんか。
同じ、図書館の常連同士。話相手。良き友人。この間柄に。
その方が、あなたも余計な事考えないで良いでしょうから。
短い間だったけれど、恋人としてあなたの隣に居られた事、とても、嬉しかった。
おわりに。冒頭でも申し上げましたが、もうすぐ夏がやって来ます。
どうか、体には気を付けて。
皆によろしく伝えてください。
皆のご健康を、心から願っています。敬具

追伸
あなたの恋人として、最後に、少しだけ言わせてください。
この世界の何よりも、誰よりも、あなたの事が好きでした。
だからお願い、幸せになってね。

ウォズ。だいすき。

××××」

最後の4文字、そこだけインクが滲んでいて読めなかった。
気付いた時にはもう、体が勝手に走り出していた。
霞む視界など、気にしていられなかった。