また、二人で紡いで歩めたら (ページ6)

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続き、その3 ページ6

Aに会わない日が続いた。
会っても、自分からは話しかけなかった。
日を追う毎に、賑やかだったはずのクジゴジ堂は静寂に包まれていった。
少なくとも安寧は保たれているはずなのに、妙な空虚感が心に巣食っていた。
でも、彼女を壊すよりは、ずっとましだった。

Aの笑顔が脳裏に描かれる事が増えた。
最後に会ったあの日と変わらない、太陽のようで、でも、何かが違った。
胸が苦しくて、今にも狂いそうだった。

「ウォズ、何か最近元気なくない？ Aも最近うち来ないし、何かあったの？」
我が魔王に問われても、答えられない。
寧ろ問いたい事ばかりが増える。
「俺、ウォズの力になりたいんだ。いつも助けて貰ってるし。俺だけじゃ心細いって言うなら、ゲイツも、ツクヨミも、おじさんも呼んで、皆で話せば良い。俺達、皆ウォズの味方だから」
こんな私に対しても、我が魔王は寛大で。
…話しても、良いだろうか。

「そうだったんだ…一人で、我慢してたんだね」
全てを話した。
「ウォズのそれ、寧ろ前より人として成長してるって事じゃないかしら？ Aの彼氏としてのウォズの気持ちが少し先走ってるだけ。何も心配する事無いと思うわ」
「ウォズも、もう自分の思う通りに生きようって決めたんでしょ？それで、今藻掻いてるんでしょ？ Aだって、ウォズのそういう所を好きになったんだよ」
「Aの事、本当に好きなのね。そんなの…応援するしかないじゃない！」
我が魔王とツクヨミ君は、けして笑わなかった。笑わず、自分の事のように。
「今のウォズの気持ち、Aと丸付けして来なよ。A、きっと待ってるよ」
背中を押してくれる。

「にしてもゲイツ、どこ行ったんだろうね」
待てども来ないゲイツ君に痺れを切らした我が魔王が怪訝そうに辺りを見回し始めた時。
「ウォズ！！」
噂をすれば影。その人は息を切らして現れた。
左手に、一枚の封筒を見留めた。
「これ読んだらすぐAの所行け。お前、このままだと戻れなくなるぞ」
戻れなくなる。その言葉に怖気立つ。

震える指で、封筒を開ける。