また、二人で紡いで歩めたら (ページ13)

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続き、その3 ページ13

ウォズに会わない日が続いた。
会っても、どこか気まずそうに目を逸らされた。
日を追う毎に、クジゴジ堂に足を運ばなくなっていった。
それが、ウォズにとっては幸せなのかもしれないって思ったから。

ウォズの声が、恋しくて堪らなくなった。
あの声に、また名前を呼んで欲しくて。
考える度、胸が苦しくなった。

手紙を書いた。
…ウォズとは、前の関係に戻った方が良いのかもしれない。
辛い、けど、きっとその方が、ウォズも余計な事考えなくていいから。

部屋を出る。
クジゴジ堂、ご近所さんなんだよね…。
また気まずくなるかもしれないし、手紙だけ渡して、すぐ帰って来よう。

と思っていたら、ゲイツの姿を見かけた。
「あ、ゲイツ」
「A。何で最近クジゴジ堂に来ない」
眉間にほんの少し皺が寄っている。
でも、それも、きっとこの先見る事は殆ど無くなるだろう。
「これ、ウォズに渡して」
手の中の封筒を、半ば押し付けるように渡す。
ゲイツからの問いには、答えられなかった。
「このまま別れるつもりか」
「……ウォズのため、なの。じゃあ」
踵を返し、駆け出した。
遠くから私を呼ぶ声が聞こえた気がしたけど、無視した。
泣きそうだった。

夕暮れ、部屋に戻った瞬間、視界が真っ黒になった。
息が吸えない。耳鳴りがする。
喉が焼けるように痛い。

それは、私の、あまりに静かな号哭だった。

──息が、苦しい。
──迎えに、来てよ。