また、二人で紡いで歩めたら (ページ11)

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続き、その1 ページ11

初めてのデートには、高校時代から行きつけのカフェを選んだ。
私が好きな場所が良いって言ってくれたから、本以外にも、私の好きな物、ウォズに知って欲しくて。
可愛い内装も美味しい紅茶も、全部私のお気に入りだから。

「あ、いらっしゃいAさん。もうすっかりお得意さんだね」
「マスターの紅茶が美味しいからですよ」
「いやぁ、それほどでも…あるね」
中学から仲の良い先輩が最近この店を継いだと聞いて、また顔を出すようになったのだ。

「Aさん、今日もいつものでいい？丁度今日、新しい茶葉が入ったんだけど。どう？」
顔馴染みのよしみか、一杯目はサービスで。
…と、ウォズが少しだけ寂しそうな顔をする。
「んー、じゃあ今日は新しいので。ウォズはどうする？」
話を振ってみた。
「では、Aが言う"いつもの"を」
あくまで恋人は自分だから、と先輩に無言の圧を掛けようとしているのも、もうバレバレ。

「ああ、そうそう。新作のケーキがあるんだ。お二人さん、味見してくれない？」
「だって、ウォズ！ね、一緒に食べよ？」
「Aがそう望むなら」
新作のケーキに舌鼓を打ち、少し下がり気味だったウォズの気分も、また良くなったみたい。

こうして、ウォズもここの常連になった。

──今度は、ウォズが好きな物も知りたい。
──独り占め、したいな、なんて。