花魁とて火消しはするさ (ページ3)

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弐ページ3

紺炉『お、珍しいな、花夏が料理をするなんて』

『若が作れ、作れと聞かないからねぇ…まぁたまには悪くないかと』

紺炉『そうか…何かする事あるか？』

『じゃあ、あとは卵を巻くだけだから、ご飯やお味噌汁やら装いでもらおうかね』

紺炉『だし巻き卵か…紅の奴本当すきだな』

私がお台所に立つ事はあまりないから、不思議な感じがするんだと。

まぁその通りなんだけれど…この卵焼きは俺には作れないからと少しだけ眉を下げてそう言う紺炉。

あんさんが作るのと何か違うのかと疑問が消えないけれど、なんだか嬉しく感じた。

『若のお気に入り…でありんすか』

ヒナタ『なんだー？なんか美味そうな匂いがするぞー！』

ヒカゲ『紺炉の卵焼きとちげー匂いがするぞ！』

紺炉『ほら、持っていけー』

ヒナヒカ『任せろー！』

紅丸『美味そうじゃねぇか』

フライパンから上げて切ったばかりの熱い卵焼きを一切れまた一切つまみ食い。表情こそあまり変わらないが瞬きの回数が明らかに多くなる。若の特徴…。

『はいはい、朝食の分が無くなるでありんすよ』

紅丸『…へいへい』

不服そうに居間に向かう若の後ろ姿を見ながら、俺のもんだと言わんばかり食べていた卵焼き。

『半分しかない…』

紺炉『はは…全く紅は…』