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彼の真っ直ぐな瞳は少し揺れているようにも見える。
そして彼はゆっくりと口を開いた。
｢…山田、待っててくれてありがとう｣
そう言った彼は優しく微笑んで、俺の頭に手を伸ばすとぽんぽんと壊れ物を扱うように撫でた。
その手が凄く大きく感じ、じわ、と視界が歪む。
彼は俺の一つ一つの行動を堪能するように、そのくりっとした目で追いかけ続けていた。
｢…っ当たり前じゃん…、誰だと思ってんの、｣
｢ふふ、｣
夜空に輝く星たちはまるで俺たちを歓迎してくれているようで。
彼の瞳に映っている輝く星に願いをかけた。
ずっと一緒にいられますように。
心の中でゆっくりと唱えた願い事を、彼にも届いて欲しいなんて。
欲張りだってわかってる。
でもそうしないとまた彼が何処かに消えてしまいそうで。
6年前と変わらない幼さが残る彼の顔に、6年前と変わらぬように微笑みかける。
彼はゆっくりと、緩慢な手つきで俺の左頬に手を伸ばした。
｢…ん、｣
満天の星空の下、小さな公園でずっと好きだった彼と唇を合わせる。
数秒経って名残惜しくも離された彼の顔は見たこともないような大人の色気を纏っていて、ドキン、と心臓が高鳴った。
もう完全に無くなっていたと思ってた恋心は今も健全だったらしい。
彼を目の前にすると煩い心臓は昔と変わってなかったから。
昔、彼が言っていたことがふと頭を過った。
『変わらないものっていいよね』
どこか遠くを見ながら呟くように言った彼の儚げな横顔が忘れられなかった。
彼は変わってなかった。
甘い声も、童顔も、俺といる時だけたまに見せるその切なさを帯びた瞳も。
全部全部。
俺の好きな彼が今も変わらずにここに居る。
彼は｢帰ろっか｣と笑い、俺の手を握った。
温かい彼の男らしい手がここに居るよ、って言ってくれてるみたいで。
再び滲む視界を彼に悟られないように隠しながらぎゅっと手を握り返した。
ずっと待ち続けていた彼に忘れられない恋心を気づいて欲しい、と初めて思って流した涙だった。
将来、この涙を掬って微笑む彼がずっと隣に居て欲しい、と微かな希望を抱いて願った。
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なづな(プロフ) - 雄也たんさん、ありがとうございます！初投稿なので少しおかしな所もあると思いますが、期待に応えられるように日々精進したいと思います。 (2020年9月13日 19時) (
レス) id: 508217b1b8 (このIDを非表示/違反報告)
雄也たん - 今後のうらツクも期待してます。泣けるような話も、期待してます。 (2020年9月13日 19時) (レス) id: a15daa54b1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：なづな | 作成日時：2020年9月13日 19時
