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｢涼介、最近はなんだか元気だね？｣
裕翔の後ろからぴょこっと顔を出した知念は、くりくりの上目遣いで俺の顔を覗き込む。
大学で仲良くなった知念は見た目に似合わず毒舌で、でも何でもそつ無くこなしてしまう彼に俺は何も言えない。
でもまあ、俺はこの2人がなんだかんだ言って好きみたいだ。
｢なんか涼介の顔色が良くなったって言うか｣
｢ふふ、良かったね。最近は眠れてるんでしょ？｣
｢…うん、まあ、｣
｢誰でも悩むことの一つや二つはあるからね。無理しないでよ？｣
｢わかってるよ｣
どこぞの親子のような会話をしながら蕎麦をすする。
俺らの行きつけの蕎麦屋は、夏になると氷も追加で注文出来るから文句なしで夏はここって決まってる。
大人になるとそれくらいしか楽しみがなくなった。
…昔は、彼とショッピングに行ったりどちらかの家に入り浸ることが楽しみだったのに。
その楽しみを分け合っていた彼は、もうここにはいない。
俺の知らない、どこかの街できっと幸せに暮らしてる。
そう思えば思うほどだんだんと蕎麦をつつく手が緩慢になっていく。
｢…やま？｣
｢…あ、なんでもない、ごめん、｣
こうやって彼を忘れようとしても、頭のどこかに彼の笑った顔が蘇える。
大人になってたつもりでも、十分自分は子供なんだと感じて、誤魔化すように蕎麦をすすった。
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｢はぁ…、｣
手探りで部屋の電気をつけ、そのままベッドにダイブする。
無意識に零れた溜息はふかふかのベッドに落ちて俺の耳に弾けた。
会いたい。
不意にそう思った。
何年も会っていない彼の童顔をまたこの目で見てみたいと。
どうしてあの日、去って行く彼を呼び止めることが出来なかったのだろう。
今頃、後悔したってもう遅いのに。
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なづな(プロフ) - 雄也たんさん、ありがとうございます！初投稿なので少しおかしな所もあると思いますが、期待に応えられるように日々精進したいと思います。 (2020年9月13日 19時) (
レス) id: 508217b1b8 (このIDを非表示/違反報告)
雄也たん - 今後のうらツクも期待してます。泣けるような話も、期待してます。 (2020年9月13日 19時) (レス) id: a15daa54b1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：なづな | 作成日時：2020年9月13日 19時
