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Aside
『ん…』
あれ、寝ちゃってたんだ…
ふと目が覚めるが周りは暗い。
『…っ』
ぼーっとしてた頭が鮮明になると同時に、お姉ちゃんのことを思い出した。
暗いのと静かなのが合わさって不安が湧き上がる。
『お姉ちゃん…』
お姉ちゃんのことが恋しくてしょうが無くなり、くまのぬいぐるみを抱きしめクロックスを履き病室を出る。
明かりの灯っているナースステーションをさりげなく覗き、看護師が1人で仕事をしていてこちらに気づかなそうなことを確認し、出入口周辺を目を凝らして見る。
『…ぁ…これなら。』
目に止まったのは使われていなくて放置してある点滴スタンド。
姿勢を低くし音を立てないようにスタンドを手に取り、出入口のドアに高い位置に着いている開閉ボタンを見る。
そして、ゆっくりと点滴スタンドを開閉ボタン目指して持ち上げていく。
『…よし。』
なんとか扉が開いた。
点滴スタンドを出てすぐに置き、救命に向かう。
…
『うぅ…』
救命に続く廊下を歩いているが、夜中の病院は暗くてとても怖い。
『ひぃっ…』
昼間はどうってことない植木がおばけに見える。
その近くを通る時は目をつぶり早足で。
涙目になりながらぬいぐるみをこれでもかと言うほど力を込めて抱きしめているから言葉を発せたら「う゛っ」って聞こえてきそう。
…
そんなことをしながらもなんとか救命に着いた。
明かりが見えたときは泣きそうになった。
…もともと涙目だったんだけどね。
スタッフルームの前を屈んで、そっと通り抜ける。
…
やっとの思いで着いた「B8」。
『おね…』
扉の前でお姉ちゃんと呼ぼうとしたのだけど、また怒られちゃうかな。って思ってやめてドアにもたれ掛かるように体育座りをする。
中からは布の擦れる音とため息が何回も聞こえてくる。
眠れないのかな。
私が眠れないときは、お姉ちゃんがそばにいてくれてぎゅって抱きしめてくれて優しく包み込んでくれる。
お姉ちゃんにもそうやってあげたいのに。出来ない。
たった数センチの扉の向こうに居るのに。
悔しい。寂しい。
…
少しの間、体育座りをしたまま顔を伏せていると足音が聞こえてきた。
顔を足音の聞こえる方に向けて固まる。
目を凝らしてみると遠くにシルエットが…緒方さん…？
あの歩き方と高身長はきっと緒方さんだ。
確信を持った瞬間に立ち上がり、緒方さんの元へ向かった。
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みろ(プロフ) - グレースさん» ありがとうございます。不定期で亀更新ですが、今後ともよろしくお願いします。 (2020年2月5日 15時) (
レス) id: 9312d2e793 (このIDを非表示/違反報告)
グレース(プロフ) - いつも楽しみにしています。応援しています。 (2020年2月4日 15時) (レス) id: e700f054fe (このIDを非表示/違反報告)
みろ(プロフ) - 真衣さん» ありがとうございます。遅くなってしまいすみません。これからもよろしくお願いします。 (2019年9月12日 14時) (レス) id: 8819c6dc4a (このIDを非表示/違反報告)
みろ(プロフ) - 美紀さん» ありがとうございます。これからもよろしくお願いします。 (2019年9月12日 14時) (レス) id: 8819c6dc4a (このIDを非表示/違反報告)
みろ(プロフ) - lm00n16arielkidさん» ありがとうございます。そう言っていただけると嬉しいです。かしこまりました。私なりに頑張りますのでよろしくお願いします。 (2019年9月12日 14時) (レス) id: 8819c6dc4a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みろ | 作成日時：2017年11月14日 0時
