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名取先生side
僕のせいで…緋山先生が…
そんな思いが頭を支配している。
白石「あ、名取先生！」
『なんですか？』
ICUから医局に戻る途中、反対側から仕事用のスマホを胸ポケットにしまいながら歩いてきた白石先生に呼び止められる。
白石「あの…今の名取先生に頼むのは本当に申し訳ないんだけど…緋山先生の所へ行って緋山先生の妹のAを小児科の病室に連れ戻してほしいの。」
緋山先生
その名前に体が反応する。
『…なんで、僕なんですか？』
今この状況でなんで？新種のいじめ？
白石「本当にごめんなさい。皆、今手一杯なの。」
動揺しているのを悟られないよういつもどうりに返すと白石先生は腰に手を当てて下唇を噛み、すこし息を吐いてから眉を下げて本当に申し訳なさそうに言った。
そんな顔で言われたらYESとしか答えられないだろう。
『…わかりました。』
白石「ありがとう。何かあったら連絡して？」
白石先生はほっとしたような顔をして足早に初療室へ向かっていった。
『…はぁ。』
その背中を見送り、短い溜息をひとつ吐いて重い足を引きずるようにB8へ向かう。
…
B8に近づくにつれて足取りは更に重くなっていく。
『あ…』
ふと目に入ったのは緒方さんとその隣で俯いているAちゃん。
少し離れたところで一旦足を止める。
どんな顔をして合えばいいのだろう。
笑う？申し訳なさそうにする？
いや、普通でいいか。
『ふぅ。』
息を吐きまたゆっくりと足を進め近づいていく。
…
「…やだ！名取先生のせいで、お姉ちゃんと会えないんだもん！やだー！…ｹﾎｹﾎ」
ぇ…
緊張していて頭が動いてなくて、Aちゃんのこの言葉ではっとして我に帰る。
頭は動いたけど今度は体が固まってしまった。
目の前で小さな体で苦しんで倒れていく様を何もせずに見ているだけ。
冴島「名取先生！何してるんですか！」
冴島さんの声でやっと体が動き、冴島さんに抱えられているAちゃんに近づく。
『…まずい。チアノーゼ出てきてる…このまま救命に運びます。冴島さん、救命に連絡をお願いします。』
冴島「はい！」
Aちゃんを抱き上げ救命に急いだ。
…
救命の初療室で挿管をし、SpO2も安定したAちゃん。
抜管をして冴島さんと小児科へ運ぶ。
冴島「では、私は先に戻りますね。」
『…はい。』
冴島さんはAちゃんの頭を軽くひと撫でし名残惜しそうに救命へ戻っていった。
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みろ(プロフ) - グレースさん» ありがとうございます。不定期で亀更新ですが、今後ともよろしくお願いします。 (2020年2月5日 15時) (
レス) id: 9312d2e793 (このIDを非表示/違反報告)
グレース(プロフ) - いつも楽しみにしています。応援しています。 (2020年2月4日 15時) (レス) id: e700f054fe (このIDを非表示/違反報告)
みろ(プロフ) - 真衣さん» ありがとうございます。遅くなってしまいすみません。これからもよろしくお願いします。 (2019年9月12日 14時) (レス) id: 8819c6dc4a (このIDを非表示/違反報告)
みろ(プロフ) - 美紀さん» ありがとうございます。これからもよろしくお願いします。 (2019年9月12日 14時) (レス) id: 8819c6dc4a (このIDを非表示/違反報告)
みろ(プロフ) - lm00n16arielkidさん» ありがとうございます。そう言っていただけると嬉しいです。かしこまりました。私なりに頑張りますのでよろしくお願いします。 (2019年9月12日 14時) (レス) id: 8819c6dc4a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みろ | 作成日時：2017年11月14日 0時
