28. ページ29
Aside
お姉ちゃん行っちゃった…
患者さんが急変したからしょうがないんだけど、やっぱり一緒にいたい。
三井「Aー？」
『…ゆうくんママ』
三井「どーしたの？緋山がいっちゃって寂しい？」
脚をブラブラさせて俯いてたら、ゆうくんママが来てくれて、微笑みながら話しかけてくれた。
でもなんかからかわれてるみたい。
『うー…』
三井「ごめんなさい。からかうつもりはなかったの。緋山の代わりにはなれないかもしれないけど、私でもいい？」
そう言うと私を抱っこして膝に座らせてくれた。
なんでわかったんだろ？
三井「はい、あーん。」
『あー…』
三井「ふふっ。おいしい？」
『んっ。おいひぃよ。』
三井「よかった。はい、あーん。緋山に聞いたんだけど、今日は甘えたさんなんだってね？」
『あー…ん…ほうなの。』
なーんだ。
お姉ちゃんが話したんだ。
三井「なんで甘えたさんなの？」
もちろん、お姉ちゃんも大好きで優しいんだけど、ゆうくんママはお姉ちゃんとは違う優しさがあってなんか安心する。
ゆうくんママになら言えちゃいそう。
『あの…ね…夢でね…』
三井「うん。」
ぽつぽつと小さな声で言う。
『お姉ちゃんも他の先生達…ゆうくん、ゆうくんママ、ゆうくんパパ……あと…ママとパパ…みんな…ﾋｯｸ…私を置いて…ﾋｯｸ…どこか…遠く…ﾋｯｸ…ｹﾎ…へ…ﾋｯｸ…行っちゃった…ふぇ……の…』
昨日の夜見た夢を思い出したら怖くなって心細くなって、涙が止まらなくなった。
三井「そっか。怖かったわね。大丈夫。緋山も私達も。それから、Aのママもパパも。みーんな、Aのことなんか置いて行かない。」
そう言うと、ゆうくんママはしばらくの間ぎゅってしてくれた。
三井「…どう？ご飯食べられそう？」
『…んーん…もういらない』
少しして泣くのは落ち着いた。
お腹はいっぱいじゃないけど、なんか食欲がなくなった。
三井「じゃあ、片付けてきちゃうわね。」
『一緒に行く…』
1人になるのは心細くてつい、わがままを言ってしまう。
三井「いいわよ。よっ…」
ゆうくんママはこんなにわがままを言ってるのに、嫌な顔を少しもせずに抱っこしてくれた。
橘「おう。どうしたー？」
ゆうくんママと食器を返しに行くと、入口の方からゆうくんパパが来た。
三井「今日は甘えたさんなのよね？」
『うん…』
橘「そうかー。たまにはいいよな？」
ゆうくんパパが笑顔で撫でてくれた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 720人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
まちゃ(プロフ) - この小説ほんとに面白くて大好きです！！ (2018年6月16日 6時) (
レス) id: 827384ec1a (このIDを非表示/違反報告)
まゆ - 名取先生とかも出してほしいです (2018年2月27日 1時) (レス) id: b35bb8b960 (このIDを非表示/違反報告)
みろ(プロフ) - 智未さん» 喜んでいただけて嬉しいです。ありがとうございます。これからもよろしくお願い致します。 (2017年11月2日 19時) (レス) id: 8819c6dc4a (このIDを非表示/違反報告)
智未(プロフ) - リクエストに応えて頂きありがとうございます！とても、面白かったです！次のお話も楽しみです！これからも頑張って下さい！応援してます！ (2017年11月2日 18時) (レス) id: c6b9284cf3 (このIDを非表示/違反報告)
みろ(プロフ) - レインさん» ありがとうございます。 (2017年11月2日 17時) (レス) id: 8819c6dc4a (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：みろ | 作成日時：2017年9月7日 0時
