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47.素直に ページ47








聞きなれてはいないけど


体が反射的に声に反応した。






私の会いたかった人。



ちゃんと想いを伝えないといけない人。




今にも涙が出そうな感情を抑えながら


いざ目の前にして何もできないでいると






永瀬くんはゆっくり私に近づいてきて




「永瀬くんっ」




膝をつきそのまま
勢いよく抱きしめてくれた。






『会いたかった……』




「永瀬くん、あのね、」



『もうちょっとこのままがええ。』



「いいよ。でも私、永瀬くんに話さなきゃいけないことがある。」





『別れ話やったら、もうちょいこのままでいさせて。』





「あのね違うの。謝りにきたの。」





『え?』




「私、永瀬くんに言ってないことがある。」




『なに?』





「私は、記憶障害を持ってる。




1日しか、私の記憶は持たない。




だから、今日の私は永瀬くんに初対面で。




昨日の私はもう私の中にはいなくて、





でも、その、」




『そんなことだろうと思った!笑』




「え?」




予想外の返しだった。





『そんなんなんとなく察してたで?

とっくのとうに。



だって、Aぜんっぜん前のこと覚えとらんし、なんとなくいつも遠い感じするし、




その永瀬くんって呼び方も、いつだかに廉くんって呼び方に矯正させたしな!笑





……なんとなく分かってた。』






「永瀬くん…」




自分の思った以上に、永瀬くんは私のことを見ててくれたんだ。




『けど、ほんまにそんなことあるんかなって色々調べたりしたけど、




ごく稀にそういう記憶障害を持つ人もいるって分かって。



あーーー俺、すっげー確率の人に恋しちゃったな…とか思ったり笑』






「隠してて、本当にごめんなさい。」





『あーもう、頭上げて?

俺、隠し通してくれてるの嬉しかったし。




そのこと言われたら、もう二度と二人で会えないんじゃないかなって思ってた。





だから今日は、別れにきた?』




「違う。」





『えっ』






もう、自分の気持ちに嘘つかない。






「私、永瀬くんが好き。
今日の私は永瀬くんが好きです。



昨日の私も永瀬くんが好きです。
雨の中別れたあの日の私も、永瀬くんが好きです。



きっと、出会った頃から永瀬くんが好きd」







何か柔らかいものが唇に触れたと思ったら


視界が真っ暗になって、甘い匂いが広がる。







あぁ、私、永瀬くんにキスされたんだ。




今、抱きしめられてるんだ。






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リョウ(プロフ) - とってもキュンキュンでした! (2019年2月8日 22時) (レス) id: 7c0cec81f9 (このIDを非表示/違反報告)
momo(プロフ) - 優奈さん» 感想ありがとうございます。お楽しみいただけたようでよかったです!ありがとうございました。 (2018年9月25日 19時) (レス) id: 5113c5e9be (このIDを非表示/違反報告)
momo(プロフ) - まおさん» 感想ありがとうございます。そうなんですね!少しでも親近感を感じながら楽しんでいただけたのなら幸いです!ありがとうございました。 (2018年9月25日 19時) (レス) id: 5113c5e9be (このIDを非表示/違反報告)
momo(プロフ) - みみんさん» 感想ありがとうございます。涙していただけるような物語を書けたこと、このような感想をいただけたこと、本当に嬉しく思います。ありがとうございました! (2018年9月25日 19時) (レス) id: 5113c5e9be (このIDを非表示/違反報告)
momo(プロフ) - ひかるさん» 感想ありがとうございます。そう言っていただけて本当に嬉しい限りです。頑張ります!ありがとうございます!! (2018年9月25日 19時) (レス) id: 5113c5e9be (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:momo | 作成日時:2018年9月6日 13時

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