34.溢れる想い ページ35
．
『ん、ついたで。ちょっと寒いけど外出よう。』
2人で何でもない話をしていたら目的地に着いていた。
ドアを開けるとそこは誰もいない丘だった。
前を歩く永瀬さんについていくと、
綺麗な星空が広がっていた。
「すごいっ……」
『すごいやろ？』
なぁ、と左を向いて私を呼ぶ声にドキッとして
『ここ、誰もいなくてちょっと寂しいけど、
星も見れてなんか落ち着くやろ。』
「本当に…落ち着くね。」
『ここ、誰にも教えちゃあかんからな。』
そう言ってニヤッと笑う横顔に
今日もまた、たった今永瀬さんに恋した。
まっすぐ前を向いている永瀬さんを少し後ろから見つめる。隣に並ぶ資格なんて…私には無い。
この時間がずっと続けばいいのに。
私が、ずっと起きてられる人間だったら、
この気持ちを0に戻さないでいられるのに。
『Aちゃん？』
「ぇっ……」
永瀬さんは心配そうな顔をして私の方に歩いてきて、そっと頬に触れた。
『泣いてるやん。』
「本当だ……」
自分でも気づかなかった。
泣いていると気づいた頃にはもう
どうしようもない気持ちが溢れて止まらない。
けどそれは永瀬さんにぶつけるものではない。
何も言わずに静かに泣く私に、
永瀬さんは何も聞いてこなかった。
私の隣に立ち、空に広がるたくさんの星たちを見つめているだけ。
ふいに繋がれた手は温かくて、
より一層私の心を熱くする。
神様どうか、私にもチャンスをください。
『なぁAちゃん…』
「ぇ？」
ポツッ
急に降り出した雨。
永瀬さんは何か言いたげにこっちを向くけど
『あれ、雨や。
しゃーない。今日は帰ろう。』
「だね。」
この時間がずっと続くことはない。
神様は、意地悪だ。
．
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リョウ(プロフ) - とってもキュンキュンでした！ (2019年2月8日 22時) (
レス) id: 7c0cec81f9 (このIDを非表示/違反報告)
momo(プロフ) - 優奈さん» 感想ありがとうございます。お楽しみいただけたようでよかったです！ありがとうございました。 (2018年9月25日 19時) (レス) id: 5113c5e9be (このIDを非表示/違反報告)
momo(プロフ) - まおさん» 感想ありがとうございます。そうなんですね！少しでも親近感を感じながら楽しんでいただけたのなら幸いです！ありがとうございました。 (2018年9月25日 19時) (レス) id: 5113c5e9be (このIDを非表示/違反報告)
momo(プロフ) - みみんさん» 感想ありがとうございます。涙していただけるような物語を書けたこと、このような感想をいただけたこと、本当に嬉しく思います。ありがとうございました！ (2018年9月25日 19時) (レス) id: 5113c5e9be (このIDを非表示/違反報告)
momo(プロフ) - ひかるさん» 感想ありがとうございます。そう言っていただけて本当に嬉しい限りです。頑張ります！ありがとうございます！！ (2018年9月25日 19時) (レス) id: 5113c5e9be (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：momo | 作成日時：2018年9月6日 13時
