残念な顔 ページ5
物音が聞こえ、コンロの火を消して寝室へと向かう
薄暗い部屋で降谷がゆっくりと体を起こすのに駆け寄った
降谷「…… ん… 」
A「おはよう」
降谷「?」
状況がのみ込めない顔の降谷の額に手を当てる
A「まだ少し熱あるね」
降谷「熱……?」
A「覚えてない?
部屋に帰って、ソファーに座るなりぐったりしたんだよ?」
降谷「…… いや、確かに部屋に帰って
少し座って… 」
A「触ったら凄い熱だったし、驚いたよ」
降谷が思い出すのを遮るように言葉を被せる
A(熱があるのを知って、睡眠薬入りの水を飲ませたとか 言えない…… )
熱と寝起きでボーとする降谷をゆっくりとベッドへと再び寝かせる
A「もうすぐお粥出来るから。
も少し待っててよ」
降谷「…… 」
A「?」
されるがまま横になると、黙ってこちらを見つめ、何かを探すように胸元に触れる降谷
A「降谷?」
降谷「…… 沢山つけたはず… 」
A「な、何を?」
降谷「…… 夢か…」
A「?」
悔しそうに小さな舌打ちをもらす降谷
何だったのかわからない恐怖を感じながらも、すぐさま眠りに戻る降谷の頭を撫でる
風見『降谷さん、明日の休みを取るために仕事詰めてましたから…… 』
事情を説明した風見が申し訳なさそうな声で謝るのを思い出す
A(無理しなくて良いのに…… )
側にある時計を見ると、丁度日付が変わり
向こうの部屋に置いてある自分の携帯が小刻みに震え、音をたてる
友人からの誕生日メールが届き終わったのか、再び静けさが戻った
A「……仕事、頑張ってくれてありがとう。
…… プレゼントは元気になるまで待っててあげる」
そう言ってゆっくり立ち上がると、降谷の頬にそっとキスをして 静かに部屋を後にした……
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作者名:色 | 作成日時:2018年10月22日 17時