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朝日の光が降り注ぐ中、左手につけた腕時計とにらめっこしながら駅に向かって走る。
電車が出発するまで、もう5分もない。
駅に着いたのは、発車時刻の2分前だった。
改札を通り抜けようとするも、足止めを食らう。
定期の期限は、ちょうど昨日で切れていた。
こんな時に限って混んでいる券売機で急いで切符を買って、ホームまで再び走る。
私が階段を降りきるのと、電車のドアが閉まりきるのはほぼ同時だった。
全速力で走ったせいで乱れた呼吸を整えながら、仕方なく次の電車を待ち、始業時刻から30分遅れて会社に到着する。
幸いなことに上司には少し注意されるだけで済んだが、この分をどうにか挽回しなければと思い、今日も夜遅くまで働く。
今日は散々な一日だったと心の中で呟きながら、忙しい毎日が続いているせいで散らかった自分の部屋へ帰る。
そんな中でも窓際で可憐に咲く、鮮やかな赤色をしたアネモネの花。
この花を見るたび、彼のことを思い出すーー
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作者名：あめ 。 | 作成日時：2019年8月5日 18時
