# 樹くんのお気に入り (ページ4)

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# 鈍感1位ページ4

side 髙地優吾

入学してから約１ヶ月。
うちのクラスにやばい奴がいることに気づいた

女子1「あーちゃんがAのこと好きだって〜」

A「そーなん！ありがと〜？気使わせてすまん！」

鈍感王子。

こいつは本当にやばい。
樹は何故かクールぶってしまってるからあれだけど、女の子達に好きと言われてもさっきみたいな調子だし告白されても「ありがとう」だけで返してるらしい

北斗「せっかく告白されたのに」

A「俺がモテるわけないんだよ」

優吾「からかわれたわけじゃないと思うよ？」

A「気使ってるんだよ、きっと。俺がモテないから。あ！なべちゃん先生〜！！」

渡辺先生「おっA、おはよ」

A「おはよ！」

渡辺先生「今日はちゃんと音楽出ろよ？」

A「おう！」

音楽の渡辺先生と並ぶと女子がキャッキャ言うくらい人気なのになぜ気づかないんだか
不思議でたまらない

A「やべ、今から体育じゃん！体操服忘れた」

優吾「B組なら体操服持ってるんじゃない？」

A「マジ？借りてくる！」

B組苦手だろうからついて行ってやるか

A「…来たけど誰に借りよ」

優吾「ジェシーいないね」

A「あぁ〜せめてジェシーくんいてくれよ…あ。」

こうなったら最終手段だ！と歩いていったのを見守ってるとえいっと樹に後ろから抱きついてる
怖いもの知らずかあいつは振りほどかれて落ち込むのが目に見えてわかるだろ

樹「…なに。」

A「体操服借りたいです」

樹「いいけど。なんで抱きついた」

A「恥ずかしくて顔見れません」

樹「(は？可愛すぎんだろ)」

樹…超顔に出てるぞ。

ま、好きな子にそんなことされたらああなるか
つか振りほどかないで一緒に動いてるのなんで？笑

樹「はい、体操服。一瞬でも顔見せてくれませんかね」

A「…」

樹「可愛い、次は前から来てよ」

A「いいん？」

樹「Aなら歓迎」

A「Aって呼んでよ。苗字はなれない」

樹「A。体操服洗わずに返してくれていいから」

A「まじかよさんきゅ！またお礼する」

樹「…数学のこれ解ける？」

A「やってある！ノート貸す！」

樹「マジ？感謝」

これはwin-winで終わったのか？

樹「体育今日なに？」

優吾「持久走だよ、だる」

樹「じゃA、見学？」

優吾「さぁね」

樹「保健室待機しよ」

優吾「すぐサボんなよ」