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case.53 ページ6

『くっ…石頭め……』


降谷を止める為に咄嗟に手(頭)が出たとは言え、案の定ダメージを受けたのはAの方だった。


渡された氷嚢を額に当て、憎々しげに呟くも原因の本人は何食わぬ顔でフライパンを振っていた。


学習しない自分も悪いのだが。



『…というか無駄にキスが上手いですよね。ハニートラップの賜物ですね〜』


嫌みったらしく零しつつスマホを手にしようとポケットに手を突っ込む…が家に置いてきたことを思い出し、溜め息を吐いた。


最早職業病である。



「何だ、嫉妬か?」



炒飯が盛られた皿を片手に、にやりとテーブルに手を付いた降谷ににこりと満面の笑みを返す。



『いいえ。イケメンは流石経験豊富だなと思いまして。顔がいいって罪ですよねぇ〜。』



「…この顔でも得することばかりじゃないぞ。」



『…ええ、知ってますよ。貴方の事は。幼少期のことも全部、ね。』



「…やはり君は何処かストーカーじみてるな。」



『自分に関わる人間の素性は調べ尽くさないと気が済まないタイプなんですよ。生憎、信頼できる人間が限られてくる環境に長いこと置かれてたもので。』


降谷は片手に持っていた炒飯をAの前に置いた。鼻孔を擽る美味しそうな匂いに、ヒトとしての本能が働いたのか、側にあった蓮華に手を伸ばす。



一口、口に含んでゆっくりと咀嚼すれば、久方ぶりにまともなものを口に入れた気がして、Aは表情を和らげた。


「…分かっていて意地の悪いことを言うんだな、君は。」



『私、イケメン嫌いなんで〜。…まぁ、でも。イケメンでも貴方のことはそこまで嫌いじゃないですよ。さっきのでだいぶ好感度は下がりましたけど〜。』



その言葉に、降谷は苦笑いを零した。


しかし、初対面の時に比べて幾分か譲歩した様子の彼女に、僅かながらも進展を感じて心中静かに安堵するのであった。

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設定タグ:名探偵コナン , 降谷零 , 安室透   
作品ジャンル:アニメ
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q2n3qbzuWwYqZsD(プロフ) - 続き見てぇー (2022年8月5日 19時) (レス) @page22 id: c07b904298 (このIDを非表示/違反報告)
咲空(プロフ) - 氷月さん» ガイシャも被害者も同じ意味ですよ (2020年4月26日 23時) (レス) id: aaa3736e7c (このIDを非表示/違反報告)
氷月 - ガイシャではなく被害者ではないですか? (2020年4月15日 1時) (レス) id: acb67715b0 (このIDを非表示/違反報告)
椎名桃乃 - 夢主ちゃん可愛いです…!タイプです!w応援してます、頑張ってください! (2019年5月23日 16時) (レス) id: 87ecca1cfc (このIDを非表示/違反報告)
キリト - 赤井さんの名前を出した時の反応可愛い!続き読みたいです! (2019年5月2日 0時) (レス) id: 589d334356 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:咲空 | 作成日時:2019年2月11日 16時

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