情報屋Nの受難EP.2【名探偵コナン】

case.59 ページ12

結果から言うと、Aの推理は的中した。


数メートル先の川から水没した携帯が見つかり、被害者の所持する社用携帯と一致したのだ。


そして公園に出入りしていた４人の内、1人が大帝商社の役職者であり、汚職をした本人であった。


その後の自供から社長も汚職に絡んでいたことを知り、大帝商社には後日三者委員会の大規模な捜査が入ることとなった。



_____さて、事件が解決に向かい、コナンと服部、Aの三人プラスAの腕の中にいる大尉といった面子は、ポアロに向かう道中を並んで歩いていた。



「いや、しかし…驚いたわ。ホンマにねーちゃん何者や？」


『ただのしがない一般人だよん』



「嘘つけや！ただの一般人が事件を解決するかいな！」




「ねえねえ、Aさん。さっきパソコンで本当は何を見ていたの？…社用携帯に管理番号が入っているとか、携帯のモデルとか本来だったら社員しか知り得ない情報だよね？」




『コナンくんも服部くんも個人情報の取扱には気を付けないとね〜』




「「こわっ」」



意味深なAの言葉に、コナンと服部は腕を擦った。



「ICPOってAさんみたいなのがうじゃうじゃいるんだ………」



『いやいや、私みたいなただの一般人より、ICPOの皆さんの方が遥かに優秀だから〜』



「っちょお待て！！今何言うた！？」



『いやいや、私みたいな「その後や、アホ！！」



年上にも関わらずつい口走った服部に、Aは関西人って遠慮がないな、と思う。


全関西人が何も服部の様な勢いのある人間ではないと思うが。



「ねーちゃん、ICPOにおったんか！？」



『一年だけですけどね〜』



「はぁ！？せやったら何で探偵なんてやっとるんや？」



『趣味で』



「「趣味」」



『…っていうのは冗談だけど』



「冗談かいな」



意味が分からないと言いたげに反芻する二人に愉快そうに口角を上げた。



真実は彼女のみぞ知る。

case.60→←case.58

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す