case.6 ページ7
だからイケメンは苦手なんだ。
Aはいつの間にか陥ったこの状況に顔を引き攣らせながら再び思う。
頬を撫でる手が首筋へと滑る。
自分の正体を隠しているわけではない。
ただ、自分の正体を晒すのには僅かばかりのリスクが伴うのだ。
それは面倒事が嫌いな彼女にとっては面倒以外の何者でもなかった。
自分の情報収集能力と記憶力が他と比べて異質なことは彼女も理解していた。
だからこそ、話すべき人間を見誤るべきではないのだ。
肩を撫でる手が腰へと滑り、耳元へと唇が近づけられた。
彼女の目の前にいる彼は、組織に潜入している公安の人間。
しかし、ここで正体を晒すのも面白くない。
耳元でリップ音を立てながら滑る唇。
それと同時に服の中に侵入しようとした手を止めた。
今に至るまで全く抵抗を示さなかった彼女に、降谷は唇を離し、視線を向けた。
その一瞬の事だった。
ゴツン!!と頭に鈍い衝撃が加わった。
「___ッ、」
突然の反撃に目を見開いた彼は、頭を抑えて、驚愕の瞳を彼女に向ける。
そんな彼女はといえば、自ら衝撃を加えた頭を両手で抑えて悶えていた。
『___ッ!!いったぁぁあ…』
涙目で赤くなった頬を擦りながらちらりと視線を彼へと向けたA。
そのまま、口を開いた。
『石頭かよ!!!』
自滅しておいて思い切り文句を吐いた彼女に、降谷は思わず吹き出す。
「悪かったな、石頭で。」
そして嘲け笑う様に返すのであった。
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trr - 続編待ってます!!!! (2018年12月10日 5時) (レス) id: 4ac3c5bb30 (このIDを非表示/違反報告)
咲空(プロフ) - 坂竹会長さん» ご指摘ありがとうございました!(´・ω・)っ【ティッシュ】 (2018年10月19日 13時) (レス) id: 1695bf9265 (このIDを非表示/違反報告)
坂竹会長 - 更新頑張ってください。夢主ちゃんの設定がドストライクです。貴方が更新するたびに、僕の鼻からイチゴオレです←汚なッッッッ。 失礼しました。_ーд#_ (2018年10月14日 10時) (レス) id: d6f7fc00e7 (このIDを非表示/違反報告)
坂竹会長 - ページ26、名前変換なっていませんよ。(名前)と向き合うってなってます。間違っていたらすみません 失礼しました (2018年10月13日 21時) (レス) id: d6f7fc00e7 (このIDを非表示/違反報告)
レモン(プロフ) - はじめまして、すごく面白かったです! (2018年9月27日 15時) (レス) id: e66d7d83c8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:咲空 | 作成日時:2018年5月17日 1時