case.46 ページ47
さて、この危機的状況をどう乗り越えるか。
「貴女がバーボンのお気に入り?随分と可愛らしい子猫ちゃんね…。」
黒の組織に属する大幹部、ベルモット。
本名はシャロン・ヴィンヤード。
流石目を惹く程の美貌だが、拳銃を向けられているこの状況で呑気に考えている場合ではない。
『…バーボンってお酒のことでしょうか?貴女みたいな美人に拳銃を向けられるような事をした覚えはないんですけど〜。日本には観光で来てる…訳でもなさそうですねぇ、シャロン・ヴィンヤードさん?』
「あら、あくまで一般人を装うつもり?」
『一般人ですよ〜?何を仰る。』
「その割には拳銃を向けられても怯えないのね?」
『職業柄こういうことには慣れているので〜。』
引き金はまだ引かれない。
様子を伺われているらしい。
「private eye…ね。でも、残念ながらそれだけでバーボンが貴女に構うとは私は思えないのよね。」
やはり私は相当厄介なのに懐かれたらしい。
打開策はある。
多少自分の身を削ることにはなるが。
『…A secret makes a woman woman…女は秘密を着飾って美しくなる…』
Aのその言葉にベルモットの目が鋭く光った。
『私の脳天を吹き飛ばしたいならどうぞ。但し貴女の大事なangelとsilver bullet…二人を守りたいなら私は生かしておいた方が懸命だと思いますけど〜。』
「…私を脅してるつもり?あの二人に手出しをしたら本当にどうなるかわからないわよ?」
カチャリ、トリガーが引かれる。
しかしその手は次の言葉で止まった。
『…Noah's Ark…その進路は創造主である“ノア“のみが知る。』
「…!!貴女まさか」
その一瞬、彼女に隙が出来たのをAは見逃さなかった。
瞬時に振り返り拳銃を持った腕を蹴飛ばした。
ベルモットの掌から滑り落ちた拳銃は、ガシャンと音を立てて地面を滑った。
その拳銃を咄嗟に拾い、今度はベルモットに向けられた銃口。
私が隙を突かれるなんて。
ベルモットの中に生まれた微かな恐怖と驚愕。
それにさえも彼女は口端を上げるのだ。
まるでこの状況を楽しむかの様に。
「…いいわ。貴女の事は生かしておいてあげる。バーボンのお気に入りがどんなコなのか見に来ただけだったのだけど…想像以上ね。気に入ったわ。」
そう言い残して踵を返したベルモットに、また厄介なのに好かれたとAは嘆息するのだった。
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trr - 続編待ってます!!!! (2018年12月10日 5時) (レス) id: 4ac3c5bb30 (このIDを非表示/違反報告)
咲空(プロフ) - 坂竹会長さん» ご指摘ありがとうございました!(´・ω・)っ【ティッシュ】 (2018年10月19日 13時) (レス) id: 1695bf9265 (このIDを非表示/違反報告)
坂竹会長 - 更新頑張ってください。夢主ちゃんの設定がドストライクです。貴方が更新するたびに、僕の鼻からイチゴオレです←汚なッッッッ。 失礼しました。_ーд#_ (2018年10月14日 10時) (レス) id: d6f7fc00e7 (このIDを非表示/違反報告)
坂竹会長 - ページ26、名前変換なっていませんよ。(名前)と向き合うってなってます。間違っていたらすみません 失礼しました (2018年10月13日 21時) (レス) id: d6f7fc00e7 (このIDを非表示/違反報告)
レモン(プロフ) - はじめまして、すごく面白かったです! (2018年9月27日 15時) (レス) id: e66d7d83c8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:咲空 | 作成日時:2018年5月17日 1時