case.33 ページ34
Aは溜息を吐いた.
コナンがこの状況を警察に電話して犯人を捕まえてもらおうと提案し、子供達の中で唯一携帯を持っていた光彦が携帯を取り出した。
それと同時に、再び入ってきた男達。
やはり時間を区切って段ボール箱を動かしに来ているらしい。
不意に灰原が抱えている大尉が鳴き声を上げかけ、慌てる一行だが、警戒心の薄いもう一方の男のお陰で何とか持ちこたえた。
男達の会話を聞いて、この男も哀れだな、とAは思う。
それと同時にくだらない、とも思った。
愛だの何だの縺れで人の命を奪ってしまうなんて、何と愚かなことだろうか。
業者の男二人が出ていったのを確認してコナンが携帯を取る。
しかし繋がらない。
仕方なく阿笠博士と言われた人物に電話を掛けるが、途中電池が尽きて通話が切れてしまった。
「そうだ、Aさん、Aさんは!?そのパソコンで警察に連絡取れるよね?」
『取れるっきゃ、取れるけど。メールじゃ緊急性がないしね。何より、Wi-Fiが繋がってないと無理。手持ちのWi-Fiはバッテリー切れだし。』
「携帯は?」
『数日前に不注意で壊した。』
Aは数日前の依頼を思い出した。
逃げた犯人を追い掛けるのに、そいつがまた足の速い男で、聞くところによると、学生時代に陸上大会で数々の賞を獲た程の実力者だったらしい。
だから本格的に走り出す前に手に持っていた端末を咄嗟に投げ飛ばしたのだ。
結果、見事にその男の頭に命中してめでたく捕らえることに成功したのだった。
因みにその時の犯人は結婚詐欺の主犯だった。
思い出してAは本当にくだらない、と心底嘲る。
「…何て?」
『壊れたんだって〜。修理中で手元にないの、ごめんね〜。まぁ、これでやるだけやってみるかな。』
そう言って、取り敢えずパソコンを起動してみる。
確か、今日彼は喫茶店の仕事だったはずだし、気付くかどうかは正直懸けだ。
Wi-Fiの飛ぶスポットに入れば、或いは…。
悴んだ指先を何とか動かして、本文を打つ。
その間、子供達は手持ちの物で何とかこの場を凌ぐ方法を考えていた。
チーター宅配
車両No.米花xx-xxx
Corpse
Wi-Fi圏内に入ったら送信されるように自動設定をして、パソコンの画面を閉じる。
一方、子供達はポアロを根城にしている猫に暗号化したレシートを挟んでSOSを届けるらしい。
吉と出るか、凶と出るか。
そして再びコンテナの扉は開かれた。
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trr - 続編待ってます!!!! (2018年12月10日 5時) (レス) id: 4ac3c5bb30 (このIDを非表示/違反報告)
咲空(プロフ) - 坂竹会長さん» ご指摘ありがとうございました!(´・ω・)っ【ティッシュ】 (2018年10月19日 13時) (レス) id: 1695bf9265 (このIDを非表示/違反報告)
坂竹会長 - 更新頑張ってください。夢主ちゃんの設定がドストライクです。貴方が更新するたびに、僕の鼻からイチゴオレです←汚なッッッッ。 失礼しました。_ーд#_ (2018年10月14日 10時) (レス) id: d6f7fc00e7 (このIDを非表示/違反報告)
坂竹会長 - ページ26、名前変換なっていませんよ。(名前)と向き合うってなってます。間違っていたらすみません 失礼しました (2018年10月13日 21時) (レス) id: d6f7fc00e7 (このIDを非表示/違反報告)
レモン(プロフ) - はじめまして、すごく面白かったです! (2018年9月27日 15時) (レス) id: e66d7d83c8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:咲空 | 作成日時:2018年5月17日 1時