情報屋Nの受難【名探偵コナン】

case.31 ページ32

その猫により、試合は中断され、灰原が腕の中に抱えたが、突如大慰はその腕からするりと抜けて、向かいに止まっていたクール便のトラックへと入っていってしまった。



それを追いかけた子供達。



「運転手はどっかに行ってていねーぞ…」


「じゃあ中に入って連れ出すしかないですね！」



『いや、君達、あんま勝手に入らない方が…。』



言ったそばから車に乗り込んでしまった子供達に、放っておくわけにもいかず、溜息を吐いてAも後に続いた。



なぁんか嫌な予感がするんだよなぁ。
コナンくんもいるし。


案の定、中に人が乗り込んでいる事に気付かず、扉を閉められてしまった。



この中で一番目立つのは当然、大人のAであるが、どうやら気付かれなかったらしい。随分周りを見ない宅配業者だな、とAは思った。




「わっ！ボク達に気付かずに走り出してしまいました…」




「大丈夫だよ！本日指定の未配達の荷物がまだこんなにあるから…次に今の業者の人が扉を開けたら出してもらおうぜ？」




数分後、走行中のトラックが止まった。



宅配業者が扉を開けるタイミングで出ていこうとコナン達が話しているとき、灰原から制止の声が掛かった。




どうやら先程大尉が腕から抜け出した際に、ほつれたセーターの糸が走行中、何かに絡まって全部持っていかれてしまったらしい。



その状態で出ていくわけにもいかず、そのうち、業者の男二人の声が聞こえた。



「あ！来たぞ…」



「と、とにかく隠れましょう！」

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