case.29 ページ30
「Aさん、久し振りだね。ずっと会わなかったけどお仕事忙しかったの?」
この中で唯一知り合いの眼鏡の少年がAに声をかけてきた。
江戸川コナンだ。
『こんにちは、コナンくん。今日も元気に小学生やってる〜?』
「え?ああ…うん…。」
彼女の一言に、コナンの表情が曇る。
それもその筈。彼は一言も自分が幼児化した体であることを彼女に告げていないのだ。
それなのにAのその言い方だとコナンが幼児化したのを知ってるかのような口振りだ。
怪訝に思いつつも別の少年の声が聞こえて、コナンは視線を上げた。
「何だ?コナン、そのねーちゃんと知り合いかぁ?」
「ええ!?コナンくんばっかりずる〜い!あゆみもお姉さんと仲良くなりた〜い!」
ぷく、と頬を膨らませて言ったその女の子の名は吉田歩美というらしい。体格のいいのが小嶋元太、そばかすの利発そうなのが円谷光彦。
灰原は先程からコナンくんの影に隠れて出てこない。
随分とAを警戒しているようだ。
「灰原さん、どうしたんですか?」
「…ちょっと、ね。気にしないで。」
「おい、灰原。Aさんはあっち側の人間じゃないってこの間言ったろ…」
こそこそと離す二人を然程気にする様子も無く、Aは『まぁまぁ、』とコナンを宥めた。
『私は千澄A。君達と同じで探偵やってま〜す。』
「ええ〜!Aお姉さん探偵さんなの!?」
「あれ?ねーちゃん、何で俺達が少年探偵団だって知ってるんだ…?」
「そういえばそうですね…。僕達自分から少年探偵団だとは名乗っていませんし…。」
『あ、やっぱ君達がそうなんだ?コナンくんからそんな話を聞いてたから君達のことかな〜って。ふふ、大正解〜。』
にっこりと笑みを浮かべる彼女を見て、コナンは呆れた表情を浮かべていた。
よくもまぁ、咄嗟にそんな口から出任せが出るものだと感心していた。
彼女とコナンの間で少年探偵団の話題が出たことは一度もなかった。
彼女と会うときは大抵コナンが彼女のことを延々と探りを入れるからだ。
「そうなのか!あ、ねーちゃんもサッカー入らねぇか!?」
「名案です!…あ、でもAさん忙しいですよね…?」
「大丈夫だろ。忙しかったらこの時間にこんなとこ歩いていねぇよ。」
流石小さな名探偵、ご名答である。
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trr - 続編待ってます!!!! (2018年12月10日 5時) (レス) id: 4ac3c5bb30 (このIDを非表示/違反報告)
咲空(プロフ) - 坂竹会長さん» ご指摘ありがとうございました!(´・ω・)っ【ティッシュ】 (2018年10月19日 13時) (レス) id: 1695bf9265 (このIDを非表示/違反報告)
坂竹会長 - 更新頑張ってください。夢主ちゃんの設定がドストライクです。貴方が更新するたびに、僕の鼻からイチゴオレです←汚なッッッッ。 失礼しました。_ーд#_ (2018年10月14日 10時) (レス) id: d6f7fc00e7 (このIDを非表示/違反報告)
坂竹会長 - ページ26、名前変換なっていませんよ。(名前)と向き合うってなってます。間違っていたらすみません 失礼しました (2018年10月13日 21時) (レス) id: d6f7fc00e7 (このIDを非表示/違反報告)
レモン(プロフ) - はじめまして、すごく面白かったです! (2018年9月27日 15時) (レス) id: e66d7d83c8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:咲空 | 作成日時:2018年5月17日 1時