case.20 ページ21
降谷が管理人室に戻ると、管理人の男がAの首に腕を回して、ナイフを突き付けていた。
「おっと、動くなよ!!この女の首に傷をつけられたくなければな!!」
降谷は焦っていた。
彼女が警察だったといえども、サイバー犯罪対策課は表立って事件の現場に出てくることはほぼない。
彼女がこの状況を看破できるとは考えにくい。
しかし自分が動けば、彼女の首に刃が立つこととなる。
どうする…
降谷が必死で頭を動かしている中、コナンが合流した。
「Aさん!」
「へへっ…お前ら揃いも揃って間抜けだなぁ…。しかし、この女も何故わざわざこいつらを自分から放したのか…」
「…どういうことです?」
犯人の言葉に、降谷は怪訝そうに問いかけた。
Aは俯いたまま微動だにしない。
「依頼人としてこの女をこのマンションに誘き寄せたのは俺だからな…。その時に指定したのがあの部屋だ。」
「安室さん!彼処には本物の管理人さんが閉じ込められていたんだ!Aさんはそれを見抜いてて、僕たちに行かせたんじゃない?」
「…!!馬鹿な事を!!」
降谷は壁を殴り歯を食い縛った。
其の様子に犯人の男は愉快そうに笑う。
「なるほどなぁ。しかし、女一人が残ったところで無様にも手を出せない。あの婆さんには礼を言わねぇとなぁ?どうやら心臓病だったらしいが。そして、偶然にもタイミングよく見つけてくれたあの第一発見者の女にも。本物の映像を見つけて目の前に俺がいるというのに、ご丁寧にも残ってくれたお前にもな!!」
そこに目暮と高木が慌てた様子で合流した。
「おい、高木くん!応援を呼べ!」
その時、不意にAがにやりと口許を緩めた。
『必要ありませんよ。』
その声に全員が反応を示す。
『想定内過ぎて欠伸が出ますねぇ。貴方ごときが私の思考を上回れると思っていらっしゃるのなら、烏滸がましいにも程があります。』
「なんだと、このアマ!!」
僅かに首に食い込んだナイフで皮膚が切れた。
それにも構わず、さも愉快そうに彼女は続ける。
『冷静さを欠いた人間ほど扱いやすいものはありませんよ。』
刹那、彼女はナイフを持った犯人の手を掴み、鳩尾に一発肘を入れたところで、そのまま背負い投げをした。
犯人が持っていたナイフを蹴飛ばし、降谷達の方へ滑らせたAは、気絶した男を見下ろして、欠伸を一つ、零すのであった。
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trr - 続編待ってます!!!! (2018年12月10日 5時) (レス) id: 4ac3c5bb30 (このIDを非表示/違反報告)
咲空(プロフ) - 坂竹会長さん» ご指摘ありがとうございました!(´・ω・)っ【ティッシュ】 (2018年10月19日 13時) (レス) id: 1695bf9265 (このIDを非表示/違反報告)
坂竹会長 - 更新頑張ってください。夢主ちゃんの設定がドストライクです。貴方が更新するたびに、僕の鼻からイチゴオレです←汚なッッッッ。 失礼しました。_ーд#_ (2018年10月14日 10時) (レス) id: d6f7fc00e7 (このIDを非表示/違反報告)
坂竹会長 - ページ26、名前変換なっていませんよ。(名前)と向き合うってなってます。間違っていたらすみません 失礼しました (2018年10月13日 21時) (レス) id: d6f7fc00e7 (このIDを非表示/違反報告)
レモン(プロフ) - はじめまして、すごく面白かったです! (2018年9月27日 15時) (レス) id: e66d7d83c8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:咲空 | 作成日時:2018年5月17日 1時