五十三階 ページ2
祈りを終えた少年は本を持ち、しばらく祭壇の部屋にいた。光の下で座り込み、祭壇をじっと見つめてそれぞれの像を交互に目を移す。
少年は穏やかな表情で眉を下げ、ゆっくりと床に倒れ込んだ。そして床を見つめ、目を閉じる。
微かに高い鐘の音が聞こえる。
だが少年は動くことなく、ただ横になっていた。
それが幻聴であると知っているからだ。
しばらくそうしていると、純白の羽毛が一片、光の差し込むところから円を描くようにゆっくりと少年の顔の横に落ちた。
少年はまぶたをゆっくりと開け、濡れた瞳で一度床を見たあとにその羽毛に目を移した。
光に反射して宝石のように輝くそれを、少年はそっと手に触れ、撫でる。
そしてそれを持ち、羽をくるくると回して確かめるように見てからそっと胸に持っていき、その羽毛を大事そうに強く抱きしめた。
祭壇の部屋を後にした少年はそのまま最上階に上がると、ロングテーブルの誕生日席にベーコンがのったトーストとトマトドレッシングがかかった生サラダとコンソメスープの料理が置かれていた。
メニューは一切変わらない。ずっと同じ料理を食べているのだ。
少年は顔一つ変えず、席については食器を手にとって静かに食事を始める。
フォークとナイフで少年が一口で食べられるよう小さく切ってから口へ運び、よく噛む。
食器の音はならないようにゆっくり動かしていく。
1人の食事は、どうも寂しいものであった。
だが少年は気にすることなくただ食事に集中し、ひたすら食べた。
食べきった少年は布ナプキンで口を拭き、一息ついて料理がなくなった皿を見た。
皿やカップなどの食器はふわりと浮き、天に上っていく。布ナプキンも風のように飛んでいき、食器に続いていくように上へ行った。
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おマロ(プロフ) - あらばさん» コメントありがとうございます。いつでも何度でもコメントしてくださって構いませんので是非遠慮せずのお書きください。応援のお言葉誠にありがとうございます。 (2020年1月10日 10時) (
レス) id: 061e4a875f (このIDを非表示/違反報告)
あらば - 続編、おめでとうございます。俺は短い文をコメントに送ることが多いです。返信(？)して貰えるのはとても嬉しいです。応援してます。更新、楽しみにしてます (2020年1月10日 0時) (レス) id: f15d6ec153 (このIDを非表示/違反報告)
おマロ(プロフ) - ルインさん» コメントありがとうございます。BGMを聴いてくださり、ありがとうございます。機会があれば、ぜひBGMと小説の組み合わせに関してのご感想もよろしくお願いします。引き続きお楽しみくださいませ (2020年1月6日 19時) (レス) id: 061e4a875f (このIDを非表示/違反報告)
ルイン(プロフ) - 大好きで…ただただ、大好きです…BGMなんかも最高です!!本当に小説を作ってくださってありがとうございます!! (2020年1月6日 17時) (レス) id: 921896023c (このIDを非表示/違反報告)
おマロ(プロフ) - あむんとぐだっとさん» コメント誠にありがとうございます。そう言っていただけるととても嬉しく思います。引き続きお楽しみくださいませ。 (2020年1月4日 15時) (レス) id: 061e4a875f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：おマロ | 作成日時：2020年1月4日 10時
