十階 ページ11
やばい奴を連れてきてしまった。
チーノとエーミールは古い本を見せたことを少し後悔するが、それはもう仕方のないことだった。
2日かけてようやくf国に着いた3人は、まずa国に行くための船便があるか聞きに行った。
「a国行きの船便ですか…申し訳ありません。霧が濃いなかでの船旅は事故が多く発生していまして、1年前に船便をなくさせていただいております」
2人は顔を顰めたがすぐにその管理者に礼を言い、その場から離れる。中年の旅人は「で、どうする」と他人任せにそう聞いた。
em「そうですね…f国は漁業で有名なので、漁師の方に小舟を貸してくださるか聞いて回ろうかと思います」
エーミールの提案に旅人は「まあそうなるだろうな」と偉そうに返す。チーノはそんな彼の態度が気に入らないのか、静かに睨んでから目を逸らした。
漁業をしている漁師たちに小舟を貸してくれるか聞きに周りに行くが、貸してくれる様子はなかった。
そして最後の漁師の元へ行き、船を貸してくれるか聞くと「古いやつならもう乗らないからあげるよ」と潔く頂戴することができた。
「してあんたら、船に乗ってどこまで行くんだい」
漁師はエーミールたちを見てそう聞くと、チーノは「この海にある黒い塔を目指そうと思って」と言いかけた。
漁師は黒い塔と聞いてひどく怯えたような様子を見せて「な…なんだって？」と身を震わせた。
この漁師は、黒い塔を知っているようだった。エーミールは「知っているのですか？」と首を傾げて聞けば、漁師は激しく何度も頷き「そりゃあもう！」と声をあげた。
「漁をしに船を出せばあっちゅうまに霧に飲まれてな…前も横もわからん状態であたふたしてたらふとあの黒い塔を見たさ…。
ずっしりしててなぁ…あまりにも恐ろしくて近づけなかったでぇ…」
漁師は顔色を悪くさせながらそう話し出せば、中年の旅人は「それを何回見たんだ」と食い気味に前に出てきた。
漁師は少し後退り「ひぇ…」と小さく悲鳴を上げながら答えた。
「い…一回だけに決まってるだろ…！それから何度も漁には出てるが、同じ場所には存在しなかった…！
もう十分だろう…はやく船に乗って行ってくれ！」
漁師は声を荒げてそう言い、エーミールたちをどかすように慌てて走って行った。
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ウルティア - 本物に小説みたいな進め方で、少し話を変えたりしているから、読みやすくてすごく良かったです！ 言語を調べてみたりすると、一つ一つ意味があって面白かったです！話の途中にイラストを載せていたりとかしていて、とても良かったです！ (2020年10月10日 16時) (
レス) id: ed5449c75f (このIDを非表示/違反報告)
おマロ(プロフ) - あろはさん» コメントありがとうございます。言語を調べてくれてとても嬉しいです。引き続きお楽しみくださいませ。 (2020年1月5日 0時) (レス) id: 061e4a875f (このIDを非表示/違反報告)
あろは - 初めまして この話は不思議で興味深くてとても良かったです。それに言語を調べてみると「私はあなたの幸せを願っています」などあってとても不思議でした！これからも頑張ってください！ (2020年1月4日 23時) (レス) id: 463385cc96 (このIDを非表示/違反報告)
おマロ(プロフ) - 我々だ大好き!さん» コメント誠にありがとうございます。読者の皆さんにも楽しめるように工夫したので、言葉を調べてくれてとても嬉しいです。引き続きお楽しみくださいませ。 (2020年1月4日 12時) (レス) id: 061e4a875f (このIDを非表示/違反報告)
我々だ大好き!(プロフ) - 凄いですね！ウルドゥー語かと思い翻訳してみると、一つ一つ意味があって面白いです！投稿頑張って下さい！ (2020年1月4日 12時) (レス) id: 33a2dbe98a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：おマロ | 作成日時：2019年12月25日 20時
