episode4 ページ4
そして翌週の火曜日図書室開室5分前に私は図書室の前にやってきた。
ただ、本を読みに来るだけなら、ここでガラッと開けて自然と入れるだろう。
しかし、今日はそんなことはできなかった。
本を読みに来ただけではないからである。
エーミールに本を教えてもらう約束をしている。
本を教えてもらう約束とはおかしなものだが私はいたって真面目なつもりだ。つもり、だ。
べ、別にエーミールと話したいから読み始めた本があらぬ展開で役に立って複雑な心情。という訳では無い。
下心なんて微塵も……ない！
と、思いたい。
まぁ実際はなんとなーくいい雰囲気になってデートにでも誘ってしまおうかと。そんなことを考えていた。
勿論、クラスのプレイガール？の知恵入りだ。
だが度胸は人以下なのでそれは実現出来なそうだが。
考えてはいる。
緊張した時は手に人って書いて飲み込め。
試合前にメンバーが必ず言われていたセリフ。
試合前でも能天気だった私には要らないおまじないだったが、今役に立っている。
試合前よりも緊張する……。
｢し、失礼します。｣
図書室を利用する時の決まり文句。
緊張はおまじないを上回っていたようで盛大に声が裏返る。
エーミールは今日はカウンターではなく利用者向けのテーブルにいた。
｢先週ぶりですね。｣
｢は、はい。お久しぶりです。｣
お久しぶりでは無い。
先週会っている。
パンク寸前の頭はそんなことも理解していないのか、それとも私は思いの外馬鹿すぎていたのか。
｢えっと、人間失格のことなんですけど。｣
｢あ、えと、覚えててくれてありがとうございます。｣
挙動不審か。
｢少し難しい話に思われているのではないかと思いまして、他の話から読まれてはどうですか？｣
｢えっと、例えば？｣
話しながらも何気なーく何気なーくエーミールの隣に座る。
これくらい許してください神様。
｢走れメロスなどどうでしょう。比較的読みやすいですよ。｣
｢走れメロス…中学の時に読んだような気がしなくもないです。｣
｢教科書に出てきた気がしますね。｣
こないだよりも長い会話にもう頭はついていかない。パッと出の言葉で会話を繋ぎ頭の中では隣に座ってしまったせいで近過ぎるエーミールのことでいっぱいだった。
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深夜テンションGirl(プロフ) - 日向マジ神さん» ありがとうございます。お気に召して貰えて嬉しいです！ (2019年2月23日 21時) (
レス) id: 2036bf2a01 (このIDを非表示/違反報告)
日向マジ神(プロフ) - エミさんの小説だったので見に来ました。個人的に好きなので、お気に入りしました。更新楽しみにしています。 (2019年2月23日 21時) (レス) id: a013c0197b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：深夜テンションGirl | 作成日時：2019年2月18日 22時
