初任務 ページ38
名物を食べたり、迷子になったりしているうちに夜になった
クザンさんと電電虫で連絡を取り、街を歩きながら得た情報で有力だった酒場の前で待ち合わせる
青「よおAちゃん、どうだ様子は？」
「見たところは名のある奴が4名ってとこですかね。あとはその仲間たち」
私たちの任務は取引している海賊を捕らえることのみ。クザンさんの能力をもってしたら秒で片付くはずだ
酒場の扉を押す
一歩入ると中は喧騒に包まれていた
まずは誤認逮捕を防ぐために確認を取る
「こんにちはおにーさん達！おにーさん達海賊でしょう？海のこと教えてくれないかな、私ずっと興味あったの！」
海に憧れる女の子を演じて近づき、酒を勧めると海賊達は面白いくらいに饒舌に話してくれる
最初は他の国のことを面白がっているように聞き、自然な流れでこの島に入った理由を尋ねる
海賊「この島はな、おれ達にとって宝島なんだ。色んな海賊が集まるからなんでも取引できる」
海賊は声を潜めて言った
言質とれましたー
私はカウンターのクザンさんに目配せし、タイミングを見て飛び上がる
すると海賊はみるみるうちに氷に包まれていった
よし、これで任務完了
____そう思った矢先
？？「動くな！！動いたらこいつを殺す。おいお前ら、そいつらを解放して貰おうか」
さっきまでカウンターの中で酒を出していた店主が人質をとっていた
あいつもグルだったのか…
よく考えれば一ヶ所だけに海賊が集まりすぎだ。多分仲介でもしてたんだろう
店主の目は完全にクザンさんだけを捉えている
脅していると言うよりは怯えているのに近い
まああれだけ派手にやったから当たり前なのかもしれないが。
そう分かると私はクザンさんから離れ店主から死角になっている方へ身を隠し、黒翅を抜く
今は人質がいるから下手に手を出せないが、一瞬でも店主の動きを崩せたらクザンさんがどうにかするだろう
そう考え黒翅を構え、最小限の動きで振り払う
_____…ガシャン！！
私の放った斬撃は店主の後ろの酒の瓶を割り、派手な音をたてた
店主が一瞬音に気をとられる
その瞬間、店主は完全に凍りついた
「はあー…。ちょっと焦りましたよクザンさん」
青「そうだねー、ナイスアシストだったよAちゃん」
「あー、ありがとうございます」
実際のところ、クザンさんなら店主が何かを仕掛けようとしたときに気づいて対策を打てたはずだ
「まったく、恐ろしいな試すなんて」
私は初任務をどうにか無事終えたようだ
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作者名：忘れ雪 | 作成日時：2018年2月23日 22時
