夏島 ページ37
2日後船は活気のある夏島の港に着いた
見渡す限り観光客で溢れ、とても平和そうに見える。海賊なんかの取引の気配は全然しない
青「まずはまあ、降りますか」
クザンさんの指示で島に降り立つ
「あっつい…！」
私の服装は海軍の制服にコート
完全に季節を間違えている格好だ
青「確かに制服だけどそれ暑いでしょ〜。きっとおれらの海賊が動くとしたら夜だし、海軍が居るって分かったら逃げるかも知れない。なんか楽なのに着替えようぜAちゃん」
そう言ってクザンさんは近くの服屋に入っていった
「なかなかマトモなことも言えるんだな…」
私も妙に感心しながら気になった服屋に入る
この街で浮かなくて、尚且つ動きやすめの服を探していく
結局はショートパンツにただのTシャツに落ち着いた
店を出ると、着替えたクザンさんがアイスを売っているワゴンの売り子さんをナンパしていた
クザンさんの服装はアロハシャツにハーフパンツに変わっている。サングラスと相俟って、ただの観光に浮かれた奴にしか見えない
「なんかしっくりきますね」
近づいていき、軽い皮肉を込めてクザンさんに話しかける
青「おお〜、Aちゃん。…もうちょっといい感じに色っぽいのとか無かったの？あのボインのねぇちゃんみたいなさ…」
お前は一体部下に何を求めてるんだ
「クザンさんも、もう少し威厳のある格好はできなかったんですかー」
いらっときたので棒読みで反撃
青「いいじゃねぇか固いこと言わないでよ〜。楽なのが一番っしょ〜」
「そうですねー私はこれが一番楽なので！」
クザンさんはまだ不服そうな顔をしていたが無視した
青「…んじゃまあ、海賊に動きが出るまで自由行動だ。おれはそこらのねぇちゃん達と遊んでるぜ？ねー？」
「了解しましたー」
クザンさんは早速女の子に話しかけている
あそこまでいくともはや潔い
私は島のお土産屋の集まるところを見て回る
じいちゃん煎餅買っていかないとうるさいから…
ふと、アクセサリー屋の前を通りかかったときに１つのピアスが目に止まった
チェーンに下がるのは綺麗な黒い宝石、まるで黒翅みたいだ
見ていると店の人が声をかけてきた
店員「ああそのピアスね。元々は対のはずだったんだけど、生憎同じくらい綺麗な石が見つからなくてね。片方だけなのさ」
「ヘェ…！じゃあお姉さん、これください」
黒翅の分身みたいな姿に惹かれ、即決した
吸い込まれるような黒が私の左耳に揺れる
買い物は大満足。あとは任務だ
ラッキーアイテム
革ベルト
ラッキーカラー
あずきいろ
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作者名：忘れ雪 | 作成日時：2018年2月23日 22時
