【MHA】紅音の翼 5【轟焦凍】 (ページ2)

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紅音色。155 ページ2

「お前が奴らに何をされたのかは、タルタロスにぶちこまれた黒羽と保護した爆豪から粗方聞いた。

生まれる前から刻みつけられたものに抗い続けたお前の意志は、あの場にいた誰よりも強かった。

胸を張れ、紅音。お前は今でもちゃんと、ヒーローの卵だ」

そう言って、優しく頭を撫でてくれた相澤先生の手に、ぼろぼろと涙が零れた。
ありがとうございますと壊れたように繰り返し、病室を出ていく相澤先生を見送った。

その後すぐに、A組の皆がお見舞いに来てくれた。
その中にはもちろん、助けようとしてくれた緑谷や飯田、切島や百ちゃんがいて。
伸ばしてくれた手を振り払ってしまったことに対する謝罪をすれば、慌てたように「気にしないで」と言われた。
クラスメイト全員、軒並み事情を聞かされたらしい。ちょっといたたまれなかった。

皆といろんなことを話している時に、「紅音さんは嬉しくないかもしれないけど...こうして轟くんと並んでると、なんだかお揃いみたいだね」と緑谷に言われた。
思わず焦凍と顔を見合わせたのは言うまでもない、

なるほど。言われてみれば今の私はオセロ頭だし、焦凍は元から紅白頭だ。おまけにオッドアイ。
それなら悪くないかもな、なんて思ってしまうあたり私は現金なんだろうなと思いながらも、『ありがとう』と言って笑った。

そんなふうにして、一連の事件はひとまず幕を閉じた。