片翼の天使 Ⅱ (ページ42)

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鶴蝶｢オマエはどこかイザナに似てるから、
怖いんだよ。
いつか俺の手を離して
戻ってこねぇんじゃねぇかって…怖いんだ。
俺はもう二度と大切な人を失いたくない、
Aと同じだよ。
だから、本当に無事でよかった…｣

叩いてごめんな、痛かったろ？と謝る鶴蝶が
私の事を想ってしてくれた"愛情"だと感じた。
そしてそれが熱を帯びて私に伝わる

蘭｢ちょっと腫れてる？｣

A｢んーん。大丈夫。
2回も同じところぶたれるとは思ってなかったけど。｣

鶴蝶｢2回？｣

その言葉に頷けば突然後ろから手をひかれた。
倒れそうになる私を受け止めた蘭が
そのまま首元に腕をまわして
ギューッと抱きつき、片手で私の頭を撫でた

まぁ、引っ張ったの蘭なんだけど。

蘭｢ごめんなぁ、
俺も鶴蝶がそこにいくとは思ってなかった｣

向き合って私の頬に優しく触れて
「痛い？」と心配そうに伺っては
｢ごめんな｣と何度も謝る。

急に弱々しくなる蘭がどこか竜胆に見えた。
やっぱり兄弟だなぁって…

A｢蘭、しゃがんで！｣

そっと蘭の頬を両手で包むと
コツンっと額を合わせた。

蘭｢A？｣

蘭はいつだって私の事を1番に考えてくれる
出会った時も、出会ってからも
ずっと一緒にいてくれた。

ダメな時はダメって叱ってくれるし
1人が寂しい夜は何も言わなくても隣にいてくれた。
眠れない日は一緒に寝てくれた。

また蘭と一緒にいられる事が嬉しくて仕方ない

家族って言ってくれた事、嬉しかった。
私が不安に思う度、
落ち着かせるように抱きしめてくれる。

竜胆にはあって蘭にないもの
蘭にはあって竜胆にはないもの。

2人がいるから私は私でいられる。
2人の思いがいつだって私の背中を押してくれる。

A｢蘭、大好きだよ｣

蘭｢んっとに可愛いなぁ♡
竜胆やめて俺にしない？｣

A｢しない♡｣

あの事故の後、
鶴蝶と蘭が犯人をバチボコにしたらしい。

私のバックにはこれほど頼りのある人がいたと思うと
同時に敵になれば怖いと思った。
なんでも埋めたとか沈めたとか……
聞きたくない言葉に耳を塞いだ。

私を狙う主犯格は分からないまま…
謎に包まれた。