片翼の天使 Ⅱ (ページ28)

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竜胆｢自分の妹の幸せを
願わない兄貴なんていねぇだろ。｣

A｢うん……｣

心のどこかで思ってた
ニィがそんな事言うはずないって…

竜胆｢今はまだ許せなくても、ゆっくり受け入れていけばいいよ

苦しくなったら俺らを頼って。

オマエを1人になんてさせねぇから…

泣きたくなったら、そんときは俺が抱きしめてやる。

眠れない日は、こうやって一緒にいよう。

何も言わなくてもAが眠るまで側にいるから｣

いつもそうだ…
竜胆は私の心を満たしてくれるの
いつも私の事を優しく包んでくれるの

A｢竜胆…ありがとう。｣

ポンポン…と
リズム良く背中を叩く手が何故かいつもより温かく感じる
次第に眠たくなってきた私は
ゆっくり目を閉じて彼の腕の中で意識を手放した

┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈

竜胆side

女なんて、身体の関係しか持ってこなかった。

付き合ったやつは何人かいたけど、
そいつを好きになった事は1度もない

喧嘩ばかりしていた。
それしかなかったから

あの日、東京卍會との抗争で大将を失った

俺達の選んだ道は修羅の道だ…

それでも兄貴の背中を追いかけた

俺はまだ、
人が死ぬところを見るのは未だに慣れない。

少年院から出た後、
兄貴とお互いの欲を満たす
いつもと変わらない退屈な毎日…

そんな時、オマエを見つけたんだ。

珍しい白髪、顔立ちも、大将に似ていた

" どこにいたって必ず見つけ出す！"

" A！！ "

なんでここまでオマエにこだわるのかわかんねぇ

でも、助けたいと思った

幸せにしてやりたいって思った

"それはダチとして？ "

兄貴が言った言葉にどこか引っかかった気がした。
ダチとして？あたりまえだろ、
それ以外何があんだよ…

でも…

" 竜胆！！ "

こいつといると調子が狂う

一緒にいたいって思うし

離れたくねぇって思う

他の男と一緒にいる所なんて見たくねぇし

オマエが1番に頭に浮かぶのは兄貴じゃなくて俺がいい

今思えばあの時から惹かれてたのかもな

竜胆｢オマエは俺が守ってやるから。｣

腕の中で安心したように眠るAのおでこにキスを落とした。

なぁ、兄貴。認めるよ

俺は……

Aが好きだって…