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蘭「A、起きてる?」




ガチャっと無造作に開けられた扉の向こうには
蘭ちゃんが立ってた




A「蘭…ちゃ…」




蘭「なんで泣いてんの」




ひょいっと持ち上げられて体が宙に浮く




そのままリビングへ運ばれると
ソファーに座る蘭ちゃんの膝の上
がっちりと腰にまわされた腕が私を容易く捕まえた




A「ネックレス壊れちゃった…」




蘭「ネックレス?あぁ、いつも付けてるやつか」





宝物なの…
そう言えば蘭ちゃんはポンポン頭を撫でる




蘭「んなもん俺が直してやっから」




A「ホント?」




蘭「ホントホント
だからちょっとだけ兄ちゃんに貸してな」





切れた部分を繋ぎ合わせて
直そうとする蘭ちゃんは、あまりにも不器用で
器具を上手く使いこなせない事に
時々イラつかせながらも必死に直してくれた




A「ありがと!!!蘭ちゃん!!」








ソファーに腰かける蘭ちゃんの足の間に座って
仲良く一緒にテレビを見る






竜胆「なに朝っぱらからイチャついてんの。」





起きたらすぐシャワーを浴びる竜ちゃんは
お風呂上がり上裸でうろつくのは当たり前
乱暴に拭いた髪からはポタポタと雫が落ちてく






蘭「可愛いだろ?俺の妹」




竜胆「は?なにそれ、
Aは俺の妹でもあるんだけど」





おいで、と腕を広げる竜ちゃんに




A「服着ろよ!!バカ兄貴!!」




畳んでいた服を投げつけた





私達は、 " 私 " は2人と血が繋がった兄妹じゃない
ましてや家族でもなんでもない




ただの幼馴染 " だった "
酷くいえば私達は赤の他人




そんなの可笑しい、そう言われても当然だ
今までだって言われてきた
2人を想う女の子から妬み、
嫌われ、虐められたことだってある





その度に守ってくれた
その度に抱きしめてくれた





慣れてる、大丈夫だと強がってみても
上手く笑うことは出来なかった





そんな私を見て「ごめんな」って…
2人は困ったように、やるせなく微笑むの










今日は私の誕生日だ




それは、両親が亡くなった
あの事件から5年経つ命日を意味する日でもある

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(プロフ) - 和凛さん» ありがとうございます!頑張ります! (2022年10月3日 22時) (レス) id: 6789a4b1bf (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 朝はパンよりご飯派さん» ありがとうございます! (2022年10月3日 22時) (レス) id: 6789a4b1bf (このIDを非表示/違反報告)
和凛 - 初めまして!続き頑張ってください。 (2022年8月30日 23時) (レス) @page9 id: aabcab5ba8 (このIDを非表示/違反報告)
朝はパンよりご飯派 - がんばれ!٩( 'ω' )و (2022年8月25日 23時) (レス) @page9 id: 913863b25c (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 華さん» 華さん!こちらこそコメントありがとうございます(๑♡ᴗ♡๑) (2022年6月22日 22時) (レス) id: 6789a4b1bf (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2022年5月22日 17時

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