#79 ページ29
*
一瞬？
それってつまり
「…ｯやめッ」
____________ズク
動かなければ
何も始まらない。
何かをしなければ
何も救えない。
それをするのは私しかいない
「…ッ……Aｯ」
初めてだ
こんなにも痛いのは
「フェイタン……やめて…っ」
私は体を使って止めに入った。
フェイタンが再び握った剣、
突くときに私がシャルの盾となったのだ。
座っていたシャルを狙ったため
立ち上がって盾になった私の腹にそれが直撃した。
「な、ぜか…ｯ
何故そこまでして庇うかッ
やぱりお前こいつに惚れてるよ…っ
お前はッ」
「ちがうッッ」
後ろでもう死にかけているようなシャルを見ては
私はまたフェイタンと目を合わせる。
「フェイタン…
あなたが人を殺すことに何の意味を抱いてないのは
なんとなくわかる…っ
でも彼は仲間なんじゃないの……ッ？
殺し屋でも何でも…仲間でしょう？
それにこれが私の為って言うのなら
こんな馬鹿なことやめて」
「馬鹿？
何いてるか…ッ全部Aのためにｯ」
「私のために人を殺さないでッッ」
私のために人が殺される
どうして？
どうして私なんかのために人が？
「私は……もう何も無い
恐らく…っ私の家族を殺したのは
シャルだ…
私の事考えてくれなくても…っ
大好きなお父さんも、お母さんも……
もういない…ｯ
私にはフェイタンしかいないのッ」
駄目だ
意識が飛びそう
頭が真っ白に変わっていく
そう思いながらも
私は必死に彼に伝えた。
「ねぇ…フェイタン
私は今あなたがこわい
仲間をも殺すその手が
これが本当のフェイタンっていうなら
あの時のフェイタンは…嘘？
私を好きって言ってくれたのも…すべて
……っ」
ああ、まだ伝えたいことはあるのに
そこで私の意識は途絶えた。
*
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れたす(プロフ) - なんかすごく綺麗な流れですっごく感動しました。こんなに感動したのは久しぶりでフェイタンのことがもっと好きになりました。いい作品をありがとうございました。 (2020年2月2日 0時) (
レス) id: 6b14e12bb4 (このIDを非表示/違反報告)
タニシ - 本当に素敵な小説をありがとうございました。楽しかったです！応援してます！ (2017年11月29日 21時) (レス) id: 8359377986 (このIDを非表示/違反報告)
*°yoeri*°(プロフ) - 他の方が仰っているように、本当に久々にこんなに素晴らしい作品に出会い、久しぶりに何度か泣きました。今まで以上にフェイタンが好きになりました。これほど良い死オチは今まで見た事は無かったです。長編でしたが、1日ですぐ読み切りました。本当に疲れ様でした。 (2017年8月19日 19時) (レス) id: 55bedd8705 (このIDを非表示/違反報告)
翠月(プロフ) - あさん» そんなにお褒めいただいて嬉しい限りでございます(´；ω；｀)そう思っていただいて何よりです。楽しんでいただけたようでよかったです！ぜひ他の作品もどうぞ！！ (2017年6月4日 23時) (レス) id: 1b85cbae39 (このIDを非表示/違反報告)
翠月(プロフ) - 小猫さん» ひゃぁあ、読んでくださってありがとうございましたぁあ！！ (2017年6月4日 23時) (レス) id: 1b85cbae39 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：翠月 | 作成日時：2017年4月2日 16時
