5話 ページ6
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なんやかんやで1日の授業は終わった。
放課後になったから部活動を見に行こうと思う。陸上部あるやろ絶対。
陸上部ならグラウンドよな。そう思って教室を出ようとした。
石「ねぇ天王寺君、部活入るか決めてる?」
『…まぁ。』
石清水君にキラキラした目でこっち見られたらさすがの俺でも良心的なものが痛む。
何か言いたそうやったから聞くだけ聞いてみた。
石「ここじゃ話しにくいから、来てもらってもいいかな…」
乙女か!!少女漫画か!!!なんやその言い方!!!
声に出してそうつっこみたくなるのを抑えて、ええよ、と言えば石清水君は昼休みの女の子同様顔を明るくした。
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石清水君と喋りながら歩いて着いた場所。
なんやグラウンドか、と思ったら通り過ぎて、フェンスが立ってる所に来た。
こんな所あったんや。教室から全然見えへんやん…
ぼーっとしてたら、石清水君に「見て」と言われたから俺はすっと前を見た
『…!!』
相手にぶつかってボールを奪う姿。
仲間にパスを繋げる姿。
ボールを持ちながら巧みに相手を避ける姿。
汚れながらもトライを決める姿。
…俺がずっと見てきた景色や。
石「急にごめんね…僕、ラグビー部でさ…」
『…』
ふと、小学生の頃に幼馴染みのあいつらが俺の事を勧誘してきたのを思い出した。
試しにやってみたらめちゃくちゃ楽しくて、陸上部が無い日はずっとラグビーして。
ラグビーは楽しいし、陸上部やった俺はウィングとしてボール持ってゴールまで走ってひたすらトライを決めていた。
けど、ものは言い方1つで捉え方は変わるもんや。
昔から何か言えば、誤解を招いて怒られる日々。勿論親からも、友達からも、先生からも。チームメイトからも。
言いたいこと言うたら怒られるし、何かあっても言うことを控えたらまた怒られる。
……どうせぇっちゅうねん、ほんま。
痺れを切らした俺はラグビーをやめた。
なんやそんな理由でって言われるかもしれんけどな。何年も続けばわかるわ。
『…ごめんな石清水君、ラグビーは好きやねん』
石「!じゃあ、」
『けど、俺はラグビーできひん。下手とかそういうもんちゃうねん。』
ごめんな、と言ってグラウンドへ移動する。
陸上部はすぐ見つかった。
見学してもいいか問うと歓迎されたので俺は陸上部の練習を見ることになった。
…家帰ったらなんて言おかな、言い方次第でおかんかおとんに怒られそうやな
俺は頭の片隅で考えながら、練習風景をじっと見ていた。
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アルカ(プロフ) - 続き楽しみしてます! (2019年7月6日 22時) (レス) id: f73a0dd394 (このIDを非表示/違反報告)
メルヘン - 続きがすごく気になります!早く見たいです! (2019年2月20日 17時) (レス) id: e7868645e8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:優 | 作成日時:2017年8月22日 1時