ハリーポッター ◆ ～憐憫のサターン～ (ページ27)

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べるは、裸の姿を隠すこともなく堂々と佇む。その姿は、
年相応の態度ではない。あの記憶の旅の事もある。
そんな中で、こんなにも愉快な出来事に直面するなんて。

嘆きのマートル「あははははーーーきゃあああーーー。
あんた、さっきまでべそかいていたわよね」

嘆きのマートルだ。普段は使われなくなったトイレで居座っている。悩みがある生徒の悩み相談に乗ったり、注意したり、ボグワーツの騒ぎを俯瞰的に見ている。それはゴーストとして長年ボグワーツに居座っているから。

嘆きのマートルは昔の自分と似た境遇の人間を、目の前にして同調している表情を示す。

「まぁ、あんたのべそかきも泣き顔も可愛いから
わたしは好きだけど、石ころちゃん」

石ころちゃん、は自分だろうとべるは心の中で呟いた。嘆きのマートルはバジリスクに襲われた被害者。ヴォルデモートが学生時代の事故。その事故の被害者。

「石ころちゃん、じゃないか」

じゃない、という言葉を誇張する。その口ぶりは、昔の自分みたいな子と呼ぶのが相応しい。
その口ぶりに、何処となく呵責(かしゃく)に触れる神経を逆なでする意図的なものを感じる。
同じレイブンクロー寮の生徒同士、気が合うかと思えるが果たしてーーー。

『嘆きのマートル？』

「ええ、そうよ
正真正銘私が嘆きのマートルよ」

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すると嘆きのマートルが哀愁感がある表情をつくる。眉毛は斜め、霞めるような儚さげもある桜のような表情を。
それは自分が死ぬ直前に味わった悶絶(もんぜう)する苦しみ。あの魔法による与えられる苦しみ。同じように精神的干渉を受けた相手が嘆きのマートルの目の前に、べるという少女がそこに立っている。

同じボグワーツ生として、ほっとけない部分がある。

「あんた、ヴォルデモートの精神的干渉を受けているかもしれないわね
これからどうするの？ダンブルドアに相談するの？」

『精神的干渉、、、それって』

べるは、不安気になっている。おいそれた行動が仇となってしまうーーーー。
そんな現状を【精神的干渉】が襲い来る。侵襲的に、徐々に来る。そんな出来事の後に、嘆きのマートルの戯言を聞かされる羽目に。

『精神的干渉って「直前呪文」、、、、』

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嘆きのマートルは「死」の概念を身体で理解している。何故なら、命尽きた本人だからーーーー。

バジリスクに食われ、ヴォルデモート(リドル)の侵襲的な企みのせいで「命」を落とした。