ハリーポッター ◆ ～憐憫のサターン～ (ページ16)

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ロンのお兄さん、フレッドはハリーの様子を、ジョーンは、べるの様子を。
シャドが警戒して2人を影で追跡。追跡魔法である動物を扱って監視していた。監視と言っても囚人のような扱いではなく、影から見守る形で。
もしもの場合に備え、追跡魔法で居場所を特定する。この魔法は、「動物魔法学」と「防御魔法」の２つを活用し、
その上で、自分ならでは、オリジナルを生み出していかないといけない。
ジョーンは、そんな追跡魔法で養子縁組先の深窓のひめぎみを追っていることを黙認。

フレッドは、ハリーが意識朦朧としている所を、肩を揺らし、現実に引き戻す。
ハリーは、肩を揺らされ、意識が的確に判断できるようになっていく。
ハリーは、夢心地に浸っていた最中、【彼の方】と呼ばれるその人の声を聞いてしまった。
慟哭(どうこく)の叫び、悲鳴声を上げる彼女(べる)の姿、声を二重音声で聞く。
二重音声で聞く、べるの声は、精神破壊してもおかしくない声ーーーーー。

ーーー

ーーー

〜ハリー時点〜

「ぎゃあああああああーーーーーーーー」

無限に響く。
反響して聞こえる。

いろんな記憶が【レコード】のように、しゅるりと、テープのように、宙を舞う。
レコードは、セピア色であり、セピア色で映り込む人物たちは、全てべるの家族、べるの世話人、べるの母親の死骸、それすらハリーに共鳴して見えた。

まだ赤ちゃんである姿、未熟児という「ハンデ」をもらって生まれてきたことも知る。
ハリーは、この事をダンブルドアに相談するか、迷うところである。
べるの過去を勝手に他人に話していいのか、配慮が必要なのか。一度相談として持ち込むことに決めたハリー。

反響していた声が、少しずつつ、声が消え、無音に。無音の先に、カメラのレンズのように、真っ暗な視界の真ん中に、人物が映り込む。
ハリーは、意識朦朧の最中、神経を集中させ、精神統一をはかり、そのカメラのレンズの先へ。

ーーーーー手伸ばす。

ーーー

ーーー

ーー

ー

「ハリー、大丈夫か！！」

「ハリー、おい」

肩揺らせる。
肩を揺らされ、振動が伝わる。

意識が現実に向き、喉が渇いていることに気づく。

その直後、ハリーの心に「精神を攻撃する」何かが、ハリーの心を攻撃する。
もしかして、ハリーは【蛇男】か【世話人】の人物に、見つかってしまった様子だ。他者の記憶に引きずりこまれた。