儚く散る (ページ2)

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次の公演中に翔太は倒れた

俺は頭が真っ白になり、周りの音も聞こえず、その場で立ち竦んでいた

周りの音は聞こえず、ただ自分の心臓の音と上がった息がよく聞こえたのを覚えている

ハッと我に帰った時には、メンバーが翔太！と叫びながら呼びかけスタッフが駆け寄っていた

急いで俺も駆け寄り担架で運ばれていく翔太を追いかけようとしたが、佐久間に止められてしまった俺はただ翔太が見えなくなるまで見届けることしか出来なかった

その後の事は正直あまり覚えてない。

ふっかが謝り状況を説明したこと、翔太抜きで続行したこと、ファンが楽しめていなかったこと

俺達も気が気じゃなくて、いいパフォーマンスは出来なかったし楽しかった、最高だったって言える公演では無かった

寧ろ最悪な公演

それしか覚えていない

倒れた日から2週間後に翔太の退所発表を行った

当然ファンのみんなは悲しんでたし、何も事情を知らなかった他のジャニーズ達も困惑していた。

本当の理由を聞かれても俺たちは真実を話さなかった
翔太の希望で

繰り広げられる憶測に時々心ない言葉

病室で涙する彼は儚くて…綺麗だった

メンバーが来る時はいつも無理して笑って、一人の時は静かに泣いてるのを俺は知ってる。

「…翔太、来たよ」

「おっ、ありがとう〜メンバーは？」

「皆今日は色々仕事が入ってるみたい」

「最近よくテレビで見るもん。忙しいんだな」

切なそうな顔をする翔太に胸が痛む
翔太だって、病気が発症しなければ今だってステージで輝いてたはずだった。
ずっとそんな翔太を見ていたかったし、9人でSnowManをしていたかった。

けど、そんなこと翔太が1番思ってる。翔太が1番に願ってる。

だからメンバーは誰一人としてそれを言わない。
翔太の前では誰も弱音を吐かずにいる。

倒れた後はすぐに病院に運ばれ意識が戻るのに数日かかった。
医師から入院を勧められた為、今は俺たちが通いやすい病院に入院中

皆オフの日や仕事の合間合間に翔太の様子を見に来ている。